米10年債と2年債で逆イールドが発生しました。アメリカ市場は悲観一色です。今回は、米国株の中においてハイテク・通信・金融・エネルギー・消費財・資本財・生活必需品・公益・タバコのセクターにおいて代表的な銘柄の1カ月の動きをチェックしておこうと思います。もちろんS&P500とも比較してみます。
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記事でも早速取り上げられていますが米10年債と2年債に逆イールド発生。12年ぶり。
この組み合わせにおいて直近3回は全てリセッションに繋がっているという事です。
更に追加情報として、過去の長短金利逆転が発生した10回のケースのうち半数超、すなわち1956、1959、1965、1973、1980および2000の6回において約3か月以内にS&P500指数はピークアウトしているとのことです。
銀行株は一斉に売りが殺到したみたいですね。正にアメリカ市場が悲観一色ですね。
但し自分は上記状況が今のトランプ市場となっているアメリカ市場の状況とマッチングするとは思えていないんです。2008年以来の10年ぶりの利下げ、それに加えて米中貿易戦争の本格化、そしてAIの発達によって市場がトランプ大統領の一言で敏感に反応してしまう。
だからこそこの状況で1か月前の上昇相場と比較して現在がS&P500とセクター代表銘柄達がどのように変動したか客観的に数字で見てみようと思いました。
また丁度各社決算が終わっています、要するにこのボラティリティが高い状況において米国株セクターの代表銘柄がどのように動いてるかをみれば、アメリカ市場の状況に動じない力強い銘柄も判断しやすいのかと考えたからです。
ではスクリーニングしていきます!
*投資判断はあくまで自己責任で
スクリーニング条件
7月14日からの株価変動%を比較する。7月14日は丁度株価が上昇局面で、最高値までは達成していないが比較するにはいいタイミングだと思いました。
セクターを3種類にざっくりと分けて見ていきます。全て米国株が対象です。下記の中から特に決算がアナリスト予想を上回った銘柄を紹介します。決算が上回っていないと他の要因を受けてしまって、正当な判断がしずらくなるからです。
・ハイテク・金融・資本財・消費財 - 景気上昇の恩恵を受けやすい
・通信・生活必需品・ヘルスケア・公益 - 下落に強い、ディフェンシブ性が高い
・エネルギー・タバコ - 独自の動きをする
ちなみに7月14日から本日までのS&P500の動きは-5.3%です。実はそんなに落ち込んでいないんですよね。
*グラフではS&P500をオレンジの線で表示していきます。
自分のウォッチリスト的な意味もある。
上昇局面に強いセクター
ハイテク
グーグルが非常に頑張っています。アップルもアイフォンのハード販売から脱却しつつあって決算が好調でしたね。アマゾンが非常に落ち込んでるのがわかると思います。アマゾン以外はS&P500を上回ってるのが印象的ですね。
グーグル(GOOGL) +1.55%
アップル(AAPL) -1.00%
マイクロソフト(MSFT) -2.85%
アマゾン(AMZN) -12.82%
*Bloomberg
マイクロソフト銘柄分析の記事はこちらをどうぞ。
金融
金融は利下げ発表の影響もあって下がっています。特にMSCIは指標の基準になる優良銘柄だと思っていますが、大きく下げです。WFCは下落局面に強いと言われてるだけあるかもしれないですね。
VとMAはS&P500を上回っていますね。Fintechなので一般的な金融よりは下落への体制が強いです。本日銀行株は大量に売られましたが、それよりは売られてないということになりますね。
ビザとマスターがS&P500を上回って、WFCがほぼ同じ、MSCIが劣後するという区分けになりますね。
ビザ(V) -4.09%
マスターカード(MA) -4.03%
ウエルズファーゴ(WFC )-5.26%
MSCI(MSCI) -10.96%
*Bloomberg
ビザとマスターの強みがわかる記事です。クレジット大国アメリカを例にすればより理解が深まります。
資本財
資本財はピックアップするのも少し戸惑いました。ボーイングやキャタピラーは決算が大コケしたので外すとして、ロッキードマーティンと3Mをピックアップしています。
軍需産業で民需がないロッキードマーティンと景気に敏感なスリーエムで大きな差が出てるのがわかると思います。2銘柄とも今日の最新が反映されてないですが、スリーエムがS&P500に劣後、ロッキードマーティンが大きく上回ってると言えますね。
ロッキードマーティン(LMT)+2.59%
スリーエム(MMM) -4.61%
*Bloomberg
スリーエムの銘柄分析記事。今スリーエムは転機に差し掛かってると思っています。
消費財
書費財セクターですが、HDは住宅関係なので景気に敏感です。逆にマクドナルドは下落相場で最強の銘柄とも言われているので、同じセクターですが全く別物と考えた方がいいです。一般消費に最も近いと思えるウォールマートもピックアップしました。
マクドナルド(MCD) +2.58%
ホームデポ(HD) -4.74%
ウォールマート(WMT)-6.58%
*Bloomberg
LMTの軍需産業の強みが出てる。
下落・後退局面に強いセクター
通信
通信セクターの見方が最近変わってきています。この不安定なマーケットにおいて株価の変動が少ない。更にAT&Tに至っては上昇までしてる状況。配当のありがたさも株価と伴って2倍ありがたく感じます。
AT&T(T) +3.41%
ベライゾン(VZ)-2.1%
*Bloomberg
AT&Tの配当の意味とベライゾン銘柄分析記事です。通信の最近の安定感は目を見張るものがあります。
生活必需品
コカ・コーラがイノベーションを起こして変革しつつあります。この不安定なマーケットの中で上昇曲線を描いている。PGもですが、生活必需品セクターの安定力、そしてKOとPGは成長株へと変貌してるかもしれませんね。
コカ・コーラ(KO) +2.63%
プロクターギャンブル(PG)+1.53%
ペプシコ(PEP) -3.82%
*Bloomberg
コカ・コーラは2017年の変革の年から化けだしています。その実力が最近如何なく発揮されています。銘柄分析記事です。
ヘルスケア
これは非常に分かりやすいと思います。アボットラボラトリーズは医療機器販売会社です。ヘルスケアで現在最も安定感があるのが医療機器という事になるかもしれません。
アボットラボラトリー(ABT) +1.09%
ジョンソンエンドジョンソン(JNJ) -0.96%
ユナイテッドヘルス(UNH) -8.24%
アッヴィ(ABBV) -7.49%
*Bloomberg
ヘルスケアは暴落に強い!といわれています。ヘルスケアセクター分析記事です。
公益
公益は流石の強さを発揮しています。全ての銘柄がS&P500を上回っている状況。更にDを除いて全銘柄プラスになっている。その中でも連続増配が60年を超えてるAWRが12.87%という驚異的な数値をたたき出しています。
ネクステラエナジー(NEE)+3.24%
ドミニオン(D) -3.02%
サザン(SO) +2.83%
アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)+12.87%
アメリカン・ウォーター・ワークス(AWK)+6.08%
*Bloomberg
水道銘柄買っておけばよかった( ノД`)シクシク…
という事で水道銘柄分析記事です。もみあげは自分で分析してるくせに買えなかった。凄く後悔しています。笑
独自の動きをするセクター
エネルギー
*エネルギーは景気単純循環株です。原油価格に影響を受けながらも景気に非常に敏感なので、判断が難しいセクターだと思った方がいいです。CVXがこの中だと頑張っていますが、S&P500にほぼ全銘柄劣後してしまっていますね。ENBはカナダの石油・ガスのパイプ会社です。(MLP)
エクソンモービル(XOM) -8.55%
ロイヤルダッチシェル(RDS/B) -10.03%
シェブロン(CVX) -5.33%
エンブリッジ(ENB) -7.33%
*Bloomberg
タバコ
*タバコ銘柄は生活必需品に属していますが、そこまでの安定感はありません。政策に左右されやすく、また時に非常に高い下落耐性を示すときもある。判断が難しい。
分かりやすいですね。フィリップモリスは決算が非常に良かった。BTIは元々底を打ってたので下がってない。アルトリアはS&P500とほぼ同じ。タバコはS&P500に劣後しないというよりは、元々底値が基準ともいえるので、下落時には焦る必要もないかもしれないですね。
フィリップモリス(PM) +2.36%
アルトリア(MO) -5.57%
ブリティッシュアメリカンタバコ(BTI)-0.94%
*Bloomberg
タバコ銘柄の中だとフィリップモリスが自分は一番安定感があると思います。(自分のタバコポートフォリオでは比率が一番少ない。( ノД`)シクシク…)
S&P500 vs セクター代表銘柄比較まとめ
では最後に今回のS&P500とセクター代表銘柄比較のまとめをしておきましょう。実は最初にスクリーニング条件でセクター毎の区分けを簡単に3つに分けました。マーケットの上昇局面に強いセクター、下落に強いセクター、独自の動きをするセクター。
お気付きの人はいると思うのですがセクター区分けが意味をなさない位セクター内で差が激しいんです。このことも伝えたかったのですが、セクターで区分けしても効果的じゃない場合も多いです。そのセクター内で更に企業によって特徴が違っているので、その点も理解した方がポートフォリオを組む時パフォーマンスを出しやすいと思います。
では最後のまとめとしてリスト化しておきますね。水道株が強すぎて、再度まとめると驚くと思います。正に債券銘柄!ですね。
まとめ
いかがだったでしょうか?この1か月間においてS&P500と米国株セクターを代表する銘柄の変動率を比較してみました。
セクターで区分けもいいのですが、セクター内で特徴があるのでその部分の理解しておくとさらに投資に対しての知識が深まると思います。特に公益銘柄はマーケットが不安定だと強さを発揮するのが明確に分かったと思います。
確かに米国10年債と2年債で逆イールドは発生しました。そしてリセッションの確率が上がったのも間違いないです。
ただFRBはまだ利下げの余力があります。米中貿易戦争も本格化はしていますが、このまま景気後退を甘んじて両国が受け入れるとはおもえません。
ただ一番大切なことはマーケットに振り回されないようにしてください。インデックスでもマイナスになるんですから、個人投資家がインデックスを上回るのは簡単じゃないです。含み損を抱えてる人も沢山いるかと思います。
退場はしないように、下落したといっても7月の上昇相場と比較してまだ5-6%ちょっとの下落です。これ位はマーケットにいれば頻繁に起こる事だと思うので、焦らないで客観的に自分のポートフォリオ・投資手法・ルール・リスク耐性、そして資産運用を見つめ直すといいかもしれないですね。
では皆さんの投資による素晴らしい資産形成を祈って!
*投資判断はあくまで自己責任で
Keep your finger's crossed!
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