米国株投資家にコングロマリット企業として人気があり、全世界・全分野に分散投資する意味合いとしても注目される銘柄の【MMM】スリーエムの銘柄分析です。連続増配60年という実績もあります。
こちらの銘柄が7月25日に決算が発表されました、その影響で株価は一時5%上昇しましたが、最終的には投資家が今後のリスクを懸念したのか利益確定売りが入って、1%の下落になりました。
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【MMM】スリーエムはもみあげもホルダーになった事があり、Q1決算後の下落時に$173で40万円分程購入していたのですが、米中貿易戦争の継続による資本財セクターの状況が悪化すると見込んで$167で売却した経緯があります。
但し、3Mは60年連続増配・世界最大手のコングロマリット企業として米国株投資において代表的な銘柄なので、今後も頑張って欲しいし、ウォッチもしています。
*投資判断はあくまで自己責任で
【MMM】スリーエム銘柄判断
3Mはコングロマリット企業であるために、事業内容が横断的かつ全世界に広がっているため事業ポートフォリオを確認しても現状把握は非常に難しいと思います。
事実米国株投資家ホルダーの中でも、事業内容はわからないけど連続増配60年と世界最大手のコングロマリット企業だからという理由でホルダーになってる米国株投資家も多いんじゃないでしょうか?
よって今回は銘柄分析を行う上で、シンプルに2点だけ今後の注目ポイント・リスクとしてあげたいと思います。この注目ポイントとリスクを考慮すると銘柄判断としては自分は今はホールドかもしくはセルです。
・事業再編による売上成長路線への転換
・資本財セクターの宿命・米中貿易戦争のリスク
ダウ銘柄の代表格であるボーイング(BA)やキャタピラー(CAT)が決算が不調。S&P500が最高値を達成した中で、ダウは下落しているので是非とも3Mには頑張ってほしい!持ってるだけで安心できる米国株投資銘柄として躍進を期待!
【MMM】スリーエムの財務・チャート分析
まずは10年間の財務とチャート分析を行っていきたいと思います。
【MMM】スリーエム(3M)
予想PER : 19.09
配当率 : 3.21%
連続増配 : 60年
創業1902年・アメリカ合衆国ミネソタ州
特許数は500件近く所有で世界50位以内にランクイン
世界最大規模のコングロマリット企業として有名
コングロマリットとは、自社が保有していない、または直接関係していない他業種の事業を取得し、多種類の事業を行う複合企業(複合企業体)、または企業グループ(企業集団)を指します。
コングロマリットとは?意味やメリット、実現方法から企業事例をご紹介 | BizHint(ビズヒント)- 事業の課題にヒントを届けるビジネスメディア
財務分析
売上・営業利益・利益率)
売上はゆるやかに上昇してきています。但しご覧になったら分かる通り営業利益2018年はこの10年で最低になっているのが気になるポイントです。
キャッシュフロー)
キャッシュフローに関しては潤沢にありますね。フリーキャッシュフローにはまだ余力を残しています。これは連続増配には非常に心強い要素だと思います。
EPS・配当・配当性向)
EPSを確認すると年々右肩上がりですね。これも非常に好印象です。但し配当性向が年々上昇してきているのが、気になるポイントです。2018年は61.2%、短・中期で増配が止まる事はなさそうですが、長期的にみるとこのままだと少し怖いかもしれません。
チャート分析
2018年の高値更新まではとにかく株価が上がりまくったイメージがあります。業績も好調だったので、当然といえば当然です。但しQ1の決算が市場の予想を裏切る形になり、ここ最近は低調な状態になっています。今が底値と判断するか、もしくはここから上昇気流にもう一度乗れるか、3Mは今がターニングポイントかもしれません。
*StockCharts
財務・チャート分析まとめ
3Mは2018年までは60年連続増配、全世界に分散投資することになるETF的な銘柄として3Mは大人気でした。株価もS&P500も20%ほどアウトパフォームしていました。
しかし2019年のQ1の決算から現在低調な状態になっています。但し財務的にみてみると営業利益などは下がって、配当性向も60%に達していますが、潤沢なフリーキャッシュフローがあるのは事実です。
短期・中期ではホールドしても配当は継続されると思いますが、売り上げが2019年は2018年と比較して下がりそうなので、売上に関して今後成長路線に再度乗せられるかどうかの今後の経営方針が非常にきになる銘柄だと思います。
【MMM】スリーエム決算
決算はいつもの米国株 決算マン(@KessanMan)さんにお世話になります。
決算内容
Q2はEPSも売り上げも予想をアウトパフォームしました。しかし通年の予想が2018年より落ち込む可能性が高いという事から、一時株価は5%上昇しましたが、最終的には1%の下落になっています。
Q2決算)
スリーエム決算
— 米国株 決算マン (@KessanMan) July 25, 2019
3M (NYSE:MMM) Q2'19
EPS(Non-GAAP) $2.20 予想 +$0.13
売上 $8.17B (-2.6% Y/Y) 予想 +$70M
NYダウ平均構成企業。株価は時間外で+4.7%https://t.co/8tMzspTiRT pic.twitter.com/PSJupKVyZt
Q1決算)
スリーエム決算
— 米国株 決算マン (@KessanMan) April 25, 2019
3M (NYSE:MMM) Q1'19
EPS(Non-GAAP) $2.23 予想 -$0.27
売上 $7.863B (-5% Y/Y) 予想 -$160M
株価は時間外で-8% NYダウ平均指数に影響ありそう(構成企業)。
PDF: https://t.co/oogjKLe6Sh pic.twitter.com/K9rl0nLhwB
決算まとめ
収益力の向上)
Q1とQ2を比較してみて気づくのがQ1$2.23→Q2$2.20でEPSはほぼ横ばいだという事ですね。予想は上回りましたが、1株辺りの収益が下がっているのは気になります。リストラと組織再編などで利益を確保したみたいです。EPSもこのままのペースだと2018年から下がりそうなので、そこも懸念点ですね。
売上上昇)
売上はQ1$7.863BからQ2$8.17Bで上昇しています。但しこのままいくとアナウンス通り通期では2018年より下がりそうですね。潤沢なキャッシュフローを活かして、売上を成長路線に再度のせれるかどうかが重要なポイントになりそうです。
【MMM】スリーエム銘柄分析まとめ
事業再編による売上成長路線への転換
売上・利益率が落ちているのは事実です。今回の決算資料を読み解いていても、特に売り上げが落ちてるいることは理解できたと思います。3Mもそれには危機感を持っている為に、ヘルスケア部門を強化しようとしてますね。
下記が3Mのアセリティ買収に関連する記事になります。この買収でヘルスケアという収益性が高い事業で売り上げを伸ばせるか注目ですね。
米中貿易戦争のリスク
米中貿易戦争はまだ継続すると考えています。この貿易戦争によって、中国の経済が弱まり、中国の売上が落ち込むリスクがあります。事実今回の決算においても売り上げが落ちています。
さらにもう一点注意しなければいけないのが、米中貿易戦争によって、ヨーロッパの経済も打撃をうけていて、ヨーロッパの売上が更に落ち込む可能性がある事です。
今回の3Mの決算でも触れられていますが、中国とヨーロッパの売上落ち込みが大きいです。これは単純に短期的な売上減少なのか、米中貿易戦争の景気悪化の始まりにすぎないのか。そして他の地域でこの落ち込みを取り換えるか。非常に大切なポイントになりそうです。
*3M HP investor
ポイントまとめ
3Mは資本財セクターに属しています。とはいえ資本財だけでなくヘルスケアも扱うことからも分かるように、様々なセクターを横断的に展開しているコングロマリット企業です。資本財セクターは景気に敏感になります。よって生活必需品や一般消費財とは違って景気悪化は事業にダイレクトに反映されます。
但しそこはコングロマリット企業の強みである横断的なセクター展開を活かして、ヘルスケアなどの景気に影響されずらい事業を強めていくなどして、売上を成長路線に戻せることを期待したいですね。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は米国株投資において世界最大手のコングロマリット企業として有名な【MMM】スリーエムの銘柄分析を行いました。
3Mの売上が落ちているのは事実です。また米中貿易戦争という今後継続しそうな大きなリスクも顕在化してきているように見えます。
但し3Mはリーマンショックなどを乗り越え60年間も連続増配してきている銘柄でもあります。成長が続けば全世界分散型のETFともいえるような米国を代表する銘柄です。
短期的・中期的には株価は上下をする可能性もありますが、是非とも売り上げを再度成長路線に載せて、米中貿易戦争のリスクを乗り越えてこれからも「持っているだけで恩恵を受けれる米国株の代表的な銘柄」として企業価値を上げていって欲しいです。
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