【CMCSA】コムキャストの銘柄分析を今回は行っていきたいと思います。こちらは米国株では一般消費財セクターに分類されるのですが、ホームネットワークに必要なケーブルでの通信インフラ事業をメインで営んでる企業です。
アメリカではコムキャストは「Evil」(邪悪)と呼ばれる事もある会社です。なんでそんな評価を受けるかも合わせてご説明できればと思っています。
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また今回はまずはAT&T,、ベライゾン、 コムキャスト、そしてスプリント&T-MOBILEの合併も含めてその5社を個別で銘柄分析を行っていきます。
そして最終的にはアメリカ駐在員かつ、アメリカ在住歴7年のもみあげから見るアメリカの通信インフラ状況の生情報をお伝えして、アメリカの通信インフラ状況を包括的に理解できるようにしたいと考えています。
米国株投資家にとっても、アメリカ事情を知りたい皆さんにとっても有益な記事にできるように作ってありますので、お楽しみください。
*投資判断はあくまで自己責任で
【CMCSA】コムキャスト銘柄判断
一般消費財セクターに分類されてる為に誤解されるかもしれませんが、コムキャストのメインの事業はケーブルネットワークです。このセクションが売上の60%を占めています。
想像してみて下さい日本の25倍の国土のアメリカにホームネットワーク用のケーブルを張り巡らせているという圧倒的な設備力の強さを。
そしてケーブルネットワーク関して、全米中で利用可能という事は景気動向に関係なく常に安定した売り上げを上げることができるんです。要するにテレビだけじゃなく、自宅でのWIFIにも必要、携帯で大容量の回線を利用して動画を見たいときもコムキャストは必要になってくるんです。競合はこの分野ではAT&Tだけです。
そして「Evil」といわれるのは、ホームネットワーク用のケーブル利用料金がバカ高いからです。これは日本だと考えられないかもしれません。
最近は更にコンテンツ事業(プラットフォーム事業)にも積極的に進出して、米国内の通信インフラ事業とコンテンツ事業を複合したハイブリッド企業に変化を試みてる銘柄だと思います
皆さんご存知のユニバーサルスタジオそしてユニバーサル・スタジオ・ジャパンもコムキャストが運営しています。
プレミアリーグサッカーファンならお馴染みのスカイスポーツで有名な英スカイもコムキャストは買収していますね。
夢を与えてる会社なのにEvilって。笑
【CMCSA】コムキャスト 財務&チャート分析
全米中に張り巡らせたケーブルネットワークを軸とした一般消費財セクターに分類される通信インフラ企業のComcastの財務とチャート分析を行っていきます。
【CMCSA】コムキャスト Comcast
予想PER : 9.6
配当率 : 1.97%
連続増配 : 10年
創業1963年・アメリカ合衆国ペンシルベニア州フィラデルフィア
売上60%がケーブル事業、2018年にスカイを$390億で買収。コンテンツ事業にも注力
財務分析
*単位は全てUSD Millon
売上・営業利益・利益率)
正直な所驚きました。売上が右肩上がりだからです。もみあげの中ではコムキャストは枯れた事業を営んでるイメージでしたが、コンテンツ事業に注力してきて、売上が確実に上がっている成長企業と再認識しました。
キャッシュフロー)
キャッシュフローは潤沢にありますね。営業キャッシュフローもフリーキャッシュフローも右肩上がり、これなら2018年の$390億のスカイ買収に関してもすぐに返済できそうな財務力だと思いました。
EPS・配当・配当性向)
17年は税制措置があった為に、特別なパターンと考えればいいと思います。それ以外はここでも驚いたんですが、配当性向が30%で抑えられてるんですよね。配当自体は多くないですが、成長企業で2%近くの配当で、30%の配当性向なら余力十分。更にEPSが年々上昇してるのは稼ぐ力も伸びているということですね。
チャート分析
チャートを見てまたビックリしました。2008年時にはケーブル事業がメインの為に、安定収益が見込めるせいか暴落時でも株価が強いです。そこからほぼずっと右肩上がりになっていますね。2018年の下降は先ほどのスカイの買収からだと思います。ただ上記の財務を見てわかる通り、売上・キャッシュフロー・EPSとも健全その物なのです。
*StockCharts
この10年間の株価伸び率もS&P500との比較で表示しておきます。S&P500を大きくアウトパフォームしているのがわかると思います。倍以上の伸び率ですね。
*Charles schwab
財務・チャート分析まとめ
正直な所驚きました。もみあげもアメリカ在住歴7年でこの会社が「Evil」と呼ばれてたのはわかっていたのですが、それがそのまま財務に反映されてると感じました。ケーブル事業の安定性とスカイ買収によるコンテンツ事業(プラットフォームビジネス)がシナジー効果を出したら現在のPERは非常に割安という判断になるかもしれません。
更に10年間でみるとS&P500を大きくアウトパフォームしているので、堅実性と成長性を合わせ持った企業といえると思います。
財務部分の更に詳しい分析はGrow Rich Slowlyさんのブログがおすすめです!
【CMCSA】コムキャスト決算
コムキャストの決算は良好その物だと思います。EPSの伸びに関しても前年同月比で13%プラス、売上に関しても前年同月比で20%プラス。通年での予想は全て数字において2018年を上回る見通しだという事です。
Q2決算)
【CMCSA】コムキャスト銘柄分析まとめ
ではコムキャスト銘柄分析をまとめさせて頂きます。「Evil」といわれるゆえんももう一度おさらいしておきますね。(笑)
現状分析
財務とチャートに関しては問題ない事が分かったと思います。買収の負債が残っていますが、現状の稼ぐ力であれば十分に返済可能だと考えられます。
また通信ケーブルを軸にしているために、景気の動向には強く安定収入が望めます。コンテンツ事業分野は一般消費財に属しているために景気には敏感になると考えればいいかと。
銘柄分析をする前は正直な所、とても地味な企業。但しアメリカでは誰でも知っている企業です。日本でいうとNTTだと考えればいいと思っていました。
アメリカの国土が日本の25倍にあたるために、インターネットやテレビを利用しようとしたらケーブルに頼るしかない状況なんです。その為にこの企業はアメリカ人の弱みを利用して儲けてる為に「Evil」と呼ばれます。
更に料金体系が非常に悪徳です。下記が代表的な料金体系になっているのですが、インターネット・テレビ・電話で月間$140! ネット回線だけだとAT&Tだと最低料金$40ですみます。ただしその回線は下手したらADSLより遅い可能性が。そしてAT&Tは都市部でもカバーできてないエリアがある為に、コムキャストしか選択が無くなる時もあります。
下記記事の様な低所得者層向けの安価なネット接続も提供していますが、正直な所イメージアップを図ってるとしか思えないですよね。やっぱり「Evil」です。
今後の展開
正に下記の記事の通りだともみあげも思いました。有料テレビ契約者数は確かに減少していると思います。但しアメリカは人口増加国です。そしてコンテンツは非常に人気があります。競合としてはディズニー、ネットフリックス、AT&T(ワーナー)になるでしょうか。
AT&Tを除くと、ディズニーとネットフリックスが伸びれば伸びるほど、そのコンテンツにはスピードが必要になり、そして大量にデータを運ぶ能力が必要になります。
そうすると通信インフラのケーブルを所有するコムキャストを頼るしかなくなるんです。そしてコムキャストはそれを見越して、2020年からプラットフォームを展開しようとしています。各社がそのプラットフォームに乗るしかなくなる可能性があります。
更にディズニー買収予定のHuluの株式まで保有している為、ディズニーが全世界でコンテンツ事業を成功させると同時にコムキャストまで儲かる仕組みになります・・・
今後の展開まで「Evil」なやり方ですよね。
自分で銘柄分析をしていてなんですが・・・ものすごくこの銘柄が欲しくなりました。ウォッチリストにも入れますし、現在割安とも思えるPER13は大チャンスかもしれないと思いだしています。
*投資判断は自己責任で
寡占性と成長性がある企業なんて大好物
まとめ
いかがだったでしょうか?今回はアメリカ人からの呼び名が「Evil」の【CMCSA】コムキャストの銘柄分析を行いました。
通信インフラ事業のホームネットワークケーブルを全米中に張り巡らせ寡占性が抜群。ただの有料テレビ提供会社じゃないんです。有料テレビ提供だけでも悪徳ともいえる高額な料金をアメリカ人からむしり取ってるのも分かったと思います。
更にケーブルという堀の深さを理解しつつ、各社が凌ぎを削ってるコンテンツ事業に対しても、そのケーブルの強さ、自社でもコンテンツ事業を所有して、2020年にはプラットフォームを確立させ、競合のディズニーがそれを利用するしかない方向に戦略も立てている事も分かって恐ろしいとしか思えませんでした。
アメリカの通信インフラ事業シリーズの最初を飾るにふさわしい銘柄だったと思います。銘柄分析をしてみると、本当に隠れた企業の強みや弱みがわかって本当に有意義だなと今回のコムキャスト銘柄分析は特に思いました。
では皆様の素晴らしい投資ライフをお祈りして!
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