【PEP】ペプシコ銘柄分析です。ペプシコは世界2位の総合食品企業で創業110年の歴史を誇ります。また連続増配46年、生活必需品セクターに属するために代表的な安定銘柄と言えると思います。
また必ずといっていいほど、生活必需品セクターで投資を検討するときはコカ・コーラと比較されてバフェット銘柄であるコカ・コーラを選択する人が多いんじゃないでしょうか?実はリターンはペプシコが上ですよ。コカ・コーラの分析記事はこちら。
その【PEP】ペプシコですが、バフェット銘柄の【KO】コカ・コーラや、フランチャイズ経営で儲けてる【MCD】マクドナルド、高い成長力を誇る【SBUX】スターバックスと比較すると地味というか、人気がない米国株銘柄になると思います。
そんな【PEP】ペプシコだからこそ、生活必需品セクターですし、暴落には強く、安定感も強いので銘柄分析をしたいと思いました。
ではもみあげ米国株投資家のペプシコ【PEP】銘柄分析記事 「コカ・コーラより上? 世界2位総合食品企業」をお楽しみください!
*投資判断はあくまで自己責任で
【PEP】ペプシコ銘柄判断
ペプシコ銘柄判断
ペプシコの銘柄判断ですが、2019年8月時点ではホールド、2019年9月の現時点だとトレンドが生活必需品からグロース株に移ってると思うので、逆に割安で投資できるチャンスだと考え、バイです。
コカ・コーラとペプシコどっちをいい?という質問があった場合は、長期リターンを考えたらペプシコです。長期リターンは基本的にペプシコの方が上です。下記が20年リターン比較になりますね。ペプシコは実はインデックスを11年以上のリターンなら上回っています。
(青がPEP、黄色がS&P500、赤がKO)
銘柄は見た目で判断しちゃだめですね。笑
財務的な詳しい比較記事はこちらの記事がお薦め。
リターン資料は「 一滴の影響 〜お金に困らない人生を送るために〜」の下記記事情報による資料を使って作成しました。ローンウルフさんありがとうございます!
MO(アルトリア)の2004年以降の投資リターンを調べてみた | 一滴の影響 〜お金に困らない人生を送るために〜
5つのキーワード
今回のペプシコ銘柄分析は下記5つがキーワードになります。財務やチャート分析も行いながら下記5つのキーワード毎に分析を深めていきますね。
・CEO交代
・買収戦略
・新興国
・健康志向
・広告戦略
ペプシコ【PEP】の財務・チャート分析
まずは10年間の財務とチャート分析を行っていきたいと思います。
【PEP】ペプシコ
予想PER : 24.48
配当率 : 2.83%
連続増配 : 46年
創業1898年・アメリカ合衆国 ノース・カロライナ州 ニューバーン
110年もの歴史を持つ老舗企業。これはペプシコの企業体質に大きく関わってきています。後述しますが、この歴史が逆に重しになっていて業績が冴えない状況になっていたと考えられます。
財務分析
売上・営業利益・利益率)
売上はほぼ横ばい、営業利益率も横ばいとこれだけ変わらないのも珍しいと思います。世界2位の総合食品企業(1位はネスレ)なので安定感は高いと考えられますね。
キャッシュフロー)
キャッシュフローも2015年から下がり続けてます。まだキャッシュには余裕がありそうですが、営業キャッシュフローが伸びていないので、テコ入れはして欲しい所です。
EPS・配当・配当性向)
2018年のEPS上昇は法人税の税率変更と組織編制の変更による特別利益なので、参考になりませんが、EPS的には横ばい状況と言えますね。配当性向は70%位と考えていいと思います。
チャート分析(2008年-)
11年間のチャートを見てると2008年のリーマンショックから順調に回復しています。但し上記財務でもお話したように、2015年から売上高の上昇は横ばいもあり、株価は大きく伸びていません。ゆったりと上昇していっているといった方がいいでしょうか。
*StockCharts
S&P500対比チャート(1年間)
S&P500対比でペプシコは大きくアウトパフォームしてるのが分かりますね。不安定なマーケット状況だと生活必需品に資金が集まるという事ですね。
*Bloomberg
生活必需品対比(1年間)
ペプシコとコカ・コーラとP&Gでこの1年間のチャートを比較してみたいと思います。ペプシコとコカ・コーラはほぼ同じ動きですね。
財務・チャート分析まとめ
良くも悪くも無いというのが一番的確だと思います。2019年8月の直近はトレンドもあり株価は新高値を付けていますが、成長株とは言えないと思います。
但し世界2位の総合食品企業だけあって、大きく株価が下落することもなかなかなさそうです。導入で「代表的な安定銘柄」とお伝えしたのはそれが理由でもあります。
また直近の決算を確認してわかるのが、飲料水は全体的に売り上げが落ちてるが、スナック部門は売り上げが上がっているです。この辺りをペプシコが今後どのようにコントロールしていくのかが非常に注目点だと思います。
CEO交代
前CEOインドラ・ヌーイ
2018年まで12年間はペプシコのCEOはインド出身で女性CEOインドラ・ヌーイさんでした。これは女性蔑視ではないので、ご了承願いたいのですが、110年間の歴史があって更に世界中で巨大なネットワークをもつ老舗企業だと想像しやすいのですが、ヌーイさんは非常に社内での組織改革の難易度が高かったと思います。
ただインドラヌーイさんはその官僚主義ともいえるペプシコにおいて、確実に炭酸飲料頼みの戦略を健康志向に変化させ、そして自身がインド出身ということもあり、インド事業の種を蒔いてます。
現CEOラモン・ラグアルタ
2018年10月からCEOラグアルタ氏は広告費と生産能力を拡大すると同時に、サプライチェーンを調整し、スナック菓子や飲料事業に注力しています。サプライチェーンは収益性の低いボトリング事業の整理、またマーケティングを活用しての売上拡大を強化してきています。
欧州やアフリカを率いた経歴を持ち、2017年9月に社長に就任した以降はグローバル事業や企業戦略などを監督していました。22年間のペプシコでの叩き上げ、グローバル事業のプロフェッショナルとも言えます。
買収戦略
買収実績
ペプシコのソーダストリームの買収記事です。実はソーダストリームはイスラエルの企業なんです。またこの戦略にはeコマース事業拡大、ESGを意識しての脱プラスチックも表明してる企業です。
ペプシコは南アフリカのパイオニア・フーズを買収しています。これによって南アフリカの食品部門を強化、そして南アフリカの地域貢献というメッセージも表明。
買収戦略まとめ
ペプシコは日本の皆さんもお気づきだと思いますが、ペプシコーラ位しか代表商品が上がってこないです。逆に言うと決まった特徴が無い為に、買収したとしてもペプシコの色に染まらないで、その買収した企業のブランドを最大限に活かすことが可能です。
それに加えてペプシコの全世界の流通網を活用できるので、一気に買収ブランドをワールドワイドに拡大できますよね。ペプシコは買収を頻繁に繰り返して、ヒット商品を作り出すことを狙っているようにも見えます。
新興国戦略
ペプシコは新興国戦略を非常に重要視しています。これはコカ・コーラ、マクドナルド、スターバックスなどと比較しても販売比率から考えると強みと言えると思います。この新興国戦略が実を結べば安定的な成長を継続できそうです。
先ほどのソーダストリームはイスラエルの企業です。中東への戦略の一環もあります。
インドにも2013年の早い段階で設備投資を行って、現在はインドはペプシコ売り上げの0位以内、更に世界売り上げの10%を担っています。
南アフリカのパイオニア・フーズはスナック部門の強化も目的ですが、アフリカ地域への販売力強化の一環と考えていいと思います。地域振興も含まれていますね。
健康志向
ペプシコはインドラヌーイの指揮の下、炭酸飲料偏重の戦略を健康志向の戦略に変化させ続けてきました。とはいえ、炭酸飲料が強みの一つであることも間違いないです。
最近はその炭酸飲料と健康志向をマッチさせたBublyが北米で人気がでていますね。この商品によって北米売り上げが大きく上昇しているという事です。こういった本来の強みと世界のトレンドの健康志向を組み合わせた商品を開発し続けれたら、将来は明るそうですよね。
【PEP】ペプシコ広告戦略
ペプシコの広告戦略は無視できないと思います。 ペプシコの第1四半期は広告戦略が功を奏していたといった記事もあります。CEOラグアータさんは広告を非常に重視しています。
例えば米国で絶大な人気を誇るNFLのオフィシャルスポンサーになったり、とにかく広告の利用価値を再度見直しているのかもしれませんね。
ペプシコというと日本の皆さんだと「ペプシマン」を思い出す方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?ペプシコの広告は本当にパンチが聞いてて、また競合のコカ・コーラをディスルCMも風刺的でありながら、どこか嗤えます。下記ツイッターの広告なんて最高に面白いですよ。
コカ・コーラを挑発しすぎた内容で放送禁止になったと言われているペプシのCM。いわゆるコーラ戦争(コカ・コーラ vs ペプシコーラ)の比較広告の中でも、絶妙にブラックで一番好きなやつです。 pic.twitter.com/5ez8tay14N
— INSPI(インスピ)|広告デザインとアイデアの教科書 (@inspi_com) August 31, 2019
【PEP】ペプシコ銘柄分析まとめ
ペプシコの銘柄分析まとめになります。5つのキーワードをサマライズするとともに、再度もみあげの【PEP】PEPに対しての銘柄判断をお伝えしようと思っています。
銘柄判断おさらい
とにかくコカ・コーラがバフェット銘柄という事もあって、ペプシコ地味だし、調べてみると財務もそんなにパットしないし、だったらコカ・コーラに投資した方がいいんじゃない?って思いがちですよね。
ただ長期リターンを考えたらここまではペプシコが上です。直近は業績があまり冴えないですが、今回の5つのキーワードを軸にすると、その5つのキーワードが上手くかみ合えば新興国で大きな成長を遂げる可能性もありえます。よってポジティブな判断です。
5つのキーワード
・CEO交代
ヌーイ氏によって、健康志向戦略を強化、またインドなど新興国での販売強化に種まきを行ってきた。新CEOのラグアルタ氏が広告戦略で販売力を促進、またアフリカなどの新興国投資を更にブーストさせている状態。買収戦略も積極的に
・買収戦略
買収戦略によって、買収企業のブランドイメージをペプシコに追加。その買収企業の魅力的な商品をペプシコの流通網によってワールドワイドのブランドに育て上げようとしている。
・新興国
買収戦略によって、新興国での足場を作っている。インドなどには積極投資、地政学的に考えると将来のインドの成長は疑いようがないため、将来的な成長も期待できそう。インドの地政学の記事はこちらのクラッドさんの記事が非常に分かりやすいです。
・健康志向
健康志向商品は世界中のESGの傾向から考えてもますます重要になります。今回ご紹介した「Bubly」の様な強みである炭酸と健康志向を組み合わせた商品を強化していければ、この分野でも強みを発揮できそう。
・広告戦略
ペプシコは広告上手です。コカ・コーラとの対比を上手く使っていきながらコミカルな広告を打ち出し、実際にそれによって今期の決算を好調に押し上げていますね。米国ではNFLとタッグを組んだり、スポーツイベント毎のペプシコの広告にも注目です。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回はコカ・コーラよりも地味でなんとなく影が薄くい【PEP】ペプシコに関して銘柄分析を行いました。
銘柄分析まとめ通りリターンはコカ・コーラより上です!但し地味です。(笑)財務も一見するとパッとしません。但しもみあげは代表的な安定銘柄ってそれでいいんじゃないかと思っています。財務の、特に売上がパッとしないのは、逆にいうとリスクを取り過ぎていないとも見えるからです。
110年の老舗企業であり、世界2位の総合食品企業、そして目立たないせいで買収をしてもペプシコの色がつかないカメレオンみたいな企業ですよね。だからこそ安定的な代表銘柄で地味に成長していってもらえたら凄く嬉しいです。
(Annual report によるとこの22ブランドが全て売上1千億円を超えてるらしいです。)
https://www.pepsico.com/docs/album/annual-reports/2018-annual-report.pdf?sfvrsn=35d1d2bc_2
そんなポートフォリオに組み込んでおくと忘れた頃にリターンが凄い事になってる!という銘柄が今までの【PEP】ペプシコなので、今後もそうあってほしいと願うもみあげなのでした。(とことん受け身なペプシコへの分析。笑)
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こちらも記事内でご紹介したスターバックスの銘柄分析です。直営店と集中出店戦略で成長していますが、売上成長が止まった時が少し怖いですね。