2018年から続く米中間における米中紛争にはまだまだ終わりが見えない状況です。米中貿易紛争の長期化によって中国人の米ブランド、米国商品に対する認識も変わってきているみたいです。
今回は特に中国小売市場における米国ブランド離れが進む現状をお伝えするとともに、その状況において特に注視したい米国株3銘柄の対応も説明していきたいと思います。
では米国株投資家もみあげの「【米国株】中国市場における米ブランド離れが進む!注視したい3銘柄とは?」をお楽しみください!
*投資判断はあくまで自己責任で
中国の小売市場の変化
まず中国人の自国ブランドに対する認識が変化してきています。下記グラフを確認したらわかるように2016年から時刻ブランドの比率が急速に伸びてきています。これは中国ブランドのクオリティーの向上とともに、更に米中紛争が原因での愛国心も影響してるとの事です。
あれだけ情報統制された国です。どのような人種だとしても、中国政府が行ってる善悪を区別できる状況判断は非常に難しく愛国心が高まり、米国への嫌悪感が増すのは無理がないかと。
中国の消費者の56%は、貿易戦争での自国支持を表明するため、米国製品の購入を避けていると回答したそうです。(ブランズウィック・グループ6月調査内容)
だったら米国企業などは中国を無視して、小売りの売り上げなどは他の市場にターゲットを移せばいい。というわけにはいかない事情もあるんです。
下記が米中の小売売上高です。2021年には米国を抜いて中国の小売売上高は5兆8000億ドル(約631兆円)以上になる見込みです。このマーケットを指をくわえて黙ってみておくことは、米国企業にとっては成長を諦めるという選択肢にもつながるかもしれませんよね。
ではここからはこういった状況によって、小売り分野毎に米国株銘柄がどのような影響を受けることになるのかを、ピックアップしてご紹介していきます。
スマートフォン
特にシェア率の変化が最も顕著なのがスマホ市場です。10年間の間で外国製品のシェア率が80%近くも下落するというのは急激な変化といってもいいかと。
更に米国のファーウエイ禁輸措置でファーウエイ人気が爆発してるとの事です。
中国人の愛国心がファーウェイ人気に火を付けた 米国の禁輸措置に反発、スマホの国内販売が絶好調(1/2) | JBpress(Japan Business Press)
となると皆さんご存じのアップルの状況が気になるところです。
【AAPL】アップル
株価:234.37
予想PER:20.17
中国での売り上げはアップルの総売上の17%、利益の29%(日本円で1兆6500億円)、直近でIphone11の販売好調を受けて最高値238ドル/株をマークした。
上記状況においてAppleは年明けにiPhone XR/iPhone XS/XS Maxの値下げを行い、3月にiPhone XS/XS Maxの値下げ、4月に為替レート変動に合わせiPhoneを含む複数のApple製品の値下げを行って、ディスカウント戦略でシェア率をまた取り戻しつつあるということです。
またリスクに対しての対応が非常に早くなっています。
アップルは直近、中国共産党機関紙の人民日報が同アプリを「毒性ソフト」と報道した翌日に、香港市民やデモ参加者が警察の動きを追跡できるアプリをアプリ配信サイト「アップストア」から削除しています。
今後の米中貿易紛争によって、情報規制が更に進み、中国人の愛国心が更に高まる結果になった場合は対応が後手に回る可能性もあります。情報に大きく絡むスマホだからこそ危機管理などには相当力をいれていくんではないでしょうか。
スポーツウエア
スポーツウエアといえばNIKEになるとおもいます。
【NIKE】ナイキ
株価:94.88
予想PER:31.95
中国での売上高は6-8月期に22%増の17憶ドル。これによって株価は過去最高の92.42になった。過去5年間中国では2桁成長を記録している。
北京を拠点とするスポーツ用品メーカー、李寧(リーニン)が現在中国で人気が急上昇してきています。またリーニンはNIKEの象徴的マークスウッシュに似た「L」マークを特徴としています。
NIKEがもし中国との関係性を考慮しないなら同社に対してクレームなどを申し込む可能性だってありえますが、現在は行っていません。
また最近の米プロバスケットボール協会(NBA)をめぐる騒動では、ヒューストン・ロケッツのゼネラルマネジャーが香港のデモを支持するツイートしてから数時間のうちに、中国の店舗からロケッツの関連商品が撤去され、中国のスポンサー企業がNBAとの契約を解除した。
これも決してNIKEには無関係ではありません。AIR JORDANモデルを代表としたバスケットシューズはNIKEを代表するブランドであり、次回重慶ではNBAのオールスターが開催される予定など中国市場におけるNBA人気による購買力は非常に大きいからです。
NIKEはブランドイメージが全てなので、こういった状況に関しての立ち回り方が非常に上手なイメージがあります。政治的なイメージはつけたくないでしょうし、あくまでアスリートを応援する立場を明確にしながら米国市場でもブランドイメージを守っていく戦略ではないでしょうか。
コーヒー
コーヒーといえばスターバックスの動向が気になるところです。
【SBUX】スターバックス
株価:86.71
予想PER:30.6
直近の決算の売上好調は中国の売上が引っ張る。全店舗の10%が中国、中国は直営店比率が50%を超える重要なマーケット。
分析記事もあるので下記をどうぞ。
スターバックスは地場の新興コーヒーチェーン瑞幸珈琲(ラッキン・コーヒー)に市場シェアを奪われ続けていました。現在は中国らしさを前面に打ち出しお茶文化への敬意を表した店舗づくりを進めて中国ローカル化に成功しつつあります。
またスタバが成功してきている理由としては、新たな場所に宅配と持ち帰り用の店舗を多く出店するという地元のライバル企業と似た戦略を取っている為です。
具体的には、デリバリーでは【BABA】アリババと業務提携を行い、更に「Starbuck Now」をオープンしてモバイルオーダーにも対応するといった中国に合わせたカスタマイズを強化していますね。
但し中国でのコーヒーブームは一過性のものに過ぎない可能性もあり、更に競争が激化している状況なのは間違いないです。
更に香港デモの問題があります。スターバックスコーヒーは香港においては、地元の外食大手・美心食品(Maxim's Caterers)がフランチャイズ展開しています。
香港デモ、スタバや吉野家を襲撃 でも何で? - BBCニュース
この企業が香港デモに否定的な発言をしたために、店舗が燃やされるといった事態に陥ったりしています。スタバは第3の特別な空間を提供するビジネスを支柱にしています。
政治的なイメージがついてしまうと取り返しがつかないために、こういった問題もうまく処理する能力が必要になってきていますね。
まとめ
いかがでしたか?「【米国株】中国市場における米ブランド離れが進む!注視したい3銘柄とは?」をお楽しみいただけたでしょうか。
米中貿易紛争という問題をみるとどうしても両国の関税に目が行きがちになると思うのですが、米国株投資家としては中国で事業を展開する米国企業の動向はチェックしておいた方がいいと思っています。
今回は特に中国の売上が企業の経営や財務に大きく関わってる3銘柄を紹介しましたが、他にも影響がある企業は沢山あると思います。3社とも現在はうまくバランスをとってるように見えますが、現在の状況だと中国を怒らせると事業自体が傾きかねないリスクがあります。
米中のバランスを見ながらうまくビジネスとして調整できる。そんなドライかもしれない経営手腕が中国に展開してる企業には特に問われてるかもしれないですね。
では皆さんの米国株投資による明るい資産運用を願って!
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