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【WBK】ウエストパックバンキング銘柄分析 創業200年の高配当&ADR銘柄!

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「2019年9月4日:情報更新」

【WBK】ウエストパックバンキングの現在の株価は19.34 配当率は約7%です。今回はその【WBK】ウエストパックバンキング銘柄分析です。 

 

 

【WBK】は高配当で一部投資家から人気があるにも関わらず、オーストラリアという土地の事もあって、情報が入りずらい為、なんとなくわからないけど持っているという投資家の方たちもいらっしゃるんじゃないでしょうか。(私もです。笑) 

 

 *投資は自己責任です。あくまで参考にでお願いします。

 

 

【WBK】ウエストパックバンキング銘柄判断

オーストラリアの4大メガバンクの一つです。創業から200年以上の老舗銀行。但し現在は株価は低迷していて、7%の高配当は魅力的ですが、減配リスクが考えられます。

 

特徴をPros-Consでサマリーしてみました。

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現在世界中で金利が利下げ傾向にある為、金融セクターのウエストパックバンキングとしても厳しい状況ではあります。但しリーマンショック時にも回復が非常に早く、堅実な経営を行っている為、財務をしっかり確認していけば購入する価値がある銘柄ともいえるかもしれません。

 

【WBK】ウエストパックバンキング 財務&チャート

【WBK】ウエストパックバンキング

予想PER : 12.2

配当率     : 7.05%

連続増配 : 2010年から8年間

 

今回は10年間の数字&チャートを確認します。リーマンショックの2009年からこの銘柄は分析した方がより理解度が深まると判断しました。

 


 

*全てAUD(million)での数字になりますのでご注意ください。

 

①売上・純利益・粗利率

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売上・純利益が右肩上がりなのは非常にいい傾向だと思います。

また粗利率も30%後半をずっとキープしてるのも要チェックです。

 


 

②営業CF・フリーCF

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後ほどお話しますが、リーマンショックの2009年の影響が少なかったのは営業CF&フリーCFに非常に余力があった事も要因に挙げられると思います。

もし2018年のCFが2017年までの数字であったならば、非常に危険な状態だったと思うのですが2018年にCFが復活してるのは非常に好印象です。

 


 

③EPS・配当・配当性向

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2009年のリーマンショックでも配当を出し続けたのが素晴らしいと思います。

前述のCFに余力があったことも関係あるでしょうが、配当性向100%を超えて株主還元

し続ける経営者の意地がみれます。

 

2010年は流石に減配していますが、その後CF改善とともに、配当を上げているのはこ

ちらの銘柄をホールドし続ける理由になり得ると考えます。

 

現在も配当性向が80%ほどなので、まだ配当余力があるという結論になります。

 


 

④純利益5年間

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 純利益は5年間しか調べることができませんでしたが、

ほぼ2%以上の純利益を継続しているので今のところ利益構造には陰りがみえません。

 


 

④10年株価チャート

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*StockCharts

 

2013年以降は16ドルから24ドルの間でうろうろしてるのがわかると思います。

2015年・2016年はCFが特に悪化してたので、一時期下がっていますね。

 


 

⑤10年株価チャート vs S&P500

 

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*Charles schwab

オレンジがS&P500 青がWBK

S&P500に対して大きく劣後しています。

配当を考慮してもこの差をどう考えるかは投資家次第だと思います。

 


 

⑥Division別売上構成比(2018年)

 

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一般客先で40%近くの売上を上げているのがわかると思います。

これはHousing分野で特に強い影響力をもっているWBKだからこそです。

 


 

⑦国別LOAN構成比(2018年)

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国別のLOANの数字を見るとほぼオーストラリアの国内で貸し付けを行っているのが

数字でわかると思います。中国国内でも多少貸し付けはおこなっているでしょうが、

この数字では中国のインパクトは見えずらいですね。

 


 

⑧数字的分析の要約

財務的な指標としては2018年は非常に好印象でした。

ただし2017年まではキャッシュフローが悪かったので、2019年がどうなるか非常に

重要になると考えています。

 

株価チャートに関しては、後ほどお話するNegativeな要素の中で

特に中国経済の陰りと不正融資問題の影響でこのところ低調です。

 

予測PERが12になっていますので、現在の株価を割安と考えるか、妥当と考えるかは

意見が分かれることになるだろうと感じました。

 

Positiveな要素

 

・財務指標

財務的な指標は順調、キャッシュフローが2018年に上昇してるのは好印象。

2017年まではキャッシュフローが落ち込んでいましたが、後述する問題が発生している

中でもしっかりとキャッシュフローを健全化してることはPositiveです。

2019年のキャッシュフローも要注目ですね。

 


 

・純利益が横ばいだが堅調

純利益も横ばいだが利益構造も今のところは堅調。

2.0%を数年間維持し続けているということは経営体制が非常にしっかりしてると

考えることができます。

 


 

・配当性向に余力あり

配当性向が80%なのでまだ配当余力がある

→マーケットの下落があったとしても急に配当無しや減配は考えずらい。

 


 

・経営が株主を大切にする

リーマンショック時においても配当性向100%を超えても配当を出し続けた

経営者の株主への配慮が強くみられるため投資家としては心強い。

 


 

・人口増加&GDP成長が予測される国

オーストラリアは人口増加が予測され、更にGDPも成長し続けている国

自国の売上が非常に大きい銀行なので、自国の人口増加とGDP成長が予測されるのは

WBKの業績には大きなプラスとなると考えます。

 

人口増加予測グラフ)

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GDP成長推移)

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オーストラリアのGDPの推移 - 世界経済のネタ帳

 

Negativeな要素

 

・オーストラリアで大問題になった4大メガバンクの不祥事による影響。

jp.reuters.com

 

2月1日の最終報告でほぼ解決したはずです。

WBKは2019年に入ってから、融資の手順を守っていて、不当に融資を行ったわけでは

ない旨を説明して、王立委員会からある程度認められたという記

事をよんだことがあります。

 

上記によってオーストラリアの政府は銀行の規制強化を進めているために、

今までの収益体制を維持できないのではないかという懸念で、

株価が下がり続けてる背景がありますね。

 

下記が4大メガバンクのチャートです。明らかに4つとも下がり続けています。

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https://houbokulife.com/wbk_lowprice/

 


 

・為替の影響

為替の影響を受ける。豪ドルの変動影響をもろに受けます。

株価も豪ドルの変動によって上下します。

エストパック銀行はADR銘柄であり、豪ドルベースで出された配当がドルになって

口座に振り込まれます。そのため為替の影響によっては豪ドルベースで増配をしていて

も、受取配当が下がってしまうこともあり得ます。

 


 

・オーストラリアの住宅市場が下落傾向

オーストラリアの住宅市場の需要が低下し、住宅価格も減少傾向だということです。

 

これは当然他の4大メガバンクも影響を受けるのですが、特にWBKは住宅ローンなどの収益の割合が大きいので影響が他の銀行より大きくなります。

 

WBKのハウジングローンの市場シェアが25%

WBKの売上Cnsumer部門が全体の40%

更にWBKのLOANの数字上において427,167/599,162で約70%がHousingになります。

よってHousing市場の落ち込みはWBKは非常に大きいと言わざるをえません。

 


 

・配当が年に2回で1月と7月

こちらはネガティブではないかもしれませんが、配当確定日で大きく株価が変動するの

で場合によっては出口戦略がとりずらいです。永久的にBuy & Holdする投資家にとって

は関係ないかもしれません。

 


 

・株価上昇のキャピタルゲインがあまり期待できない

株価が2018年から軟調で上昇の傾向が見込めなさそう。S&P500に大きく劣後。

 


 

・中国の市場と連動が強い

こちらは下記で別枠で説明を設けています。

 

中国と連動する理由

現地情報ではないので確実ではないですが、オーストラリアにおいて中国人の影響が

予想以上に大きいことが下記3つの記事でよくわかると思います。

 

良くも悪くも中国の影響度合いをよく表した記事ですね。

 

豪州に存在する中国系移民100万人と14万の留学生 WEDGE Infinity(ウェッジ)

オーストラリアが中国の植民地?増えすぎた中国人問題とは? – 中国ビジネス支援のミツトミ株式会社

豪、多文化主義の危機(中国化進む世界) :日本経済新聞

 

上記国別売上構成比では中国での売上構成比は全体の2%以下に過ぎないはずですが

オーストラリアに進出してきてる中国企業への融資、そして中国留学生・移民に対しての住宅ローンや学生ローンは1兆円を 超えるなど影響力の大きさがよくわかります。

 

よって、中国経済が落ち込むと=消費が落ち込む→中国企業がオーストラリア

の事業縮小となるために、WBKのような銀行には非常に影響が大きいことに

なるはずです。

 

ただ今後はファーウェイの進出を連邦政府が禁止するなど、中国の浸食を政府が

忌み嫌ってる部分もあるので、今までより中国の影響度が低くなる可能性はあります。

(1時的には大きな悪影響を及ぼす可能性も・・・・)

 

多文化主義国家なので、中国人が少なくなればそれだけ他の国の民族を受け入れる国だと思うので、一時的に中国の経済悪化により影響を受けても将来的には他の国もしくは自国の人口増加で補える気がしています。

 

中国のGDP成長率のグラフが下記になります。

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WBKの投資判断

WBKの投資判断ですが、もみあげがホルダーということもあるので

あくまで参考にお願いします。

 

もみあげは今回分析を行って改めてこの銘柄をキープしたいと思いましたが、

米中通商貿易の結果次第では配当確定日に手放すことを検討します。

 

・もみあげはそもそも銀行・金融株は心理的に好みません。

 

・景気単純循環株なので、景気に左右される銘柄です。

(景気単純循環株もあまり好みません。)

 

・Negativeな要素も多い、Positiveな要素もある。ほぼ相殺かと

 

・数字的な分析としては好印象なので、上記相殺を考えると保持は有り。

但し配当が継続できる前提、株価上昇は期待できないが少額保持する。

 

・株価は$18~20で動く為に、購入するなら$18かそれ以下が望ましい。

 

・出口戦略としては配当確定日当日に全て売却、もしくはその後の配当日までとにかく保有する。(配当は1月と7月の年2回というのが痛い。)

配当確定日まで上昇して配当確定日に大体株価が3-4%は落ちるようなイメージです。

 

まとめ

いかがでったでしょうか?

 

オーストラリアの銘柄の為に、情報が非常に入りずらく皆さんも不透明な中で

投資を討したりホールドをしてると思います。

 

是非ともこの記事をご覧になって、オーストラリアの現地情報としては 

こうなってるよ!といった情報が頂けたらありがたいです。

 

再度纏めておきます! 

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米中通商貿易の結果で大きく揺れ動きそうです。それを注視しつつ、2019年のキャッシュフローを注目し、キャッシュフローが伸びていることを確認できれば、米国の銀行と比較しても遜色なく、むしろ配当を考えれば投資価値があるともみあげは思いました。(キャピタルは期待できないので、割安で購入は必須ですが・・・)
 
今回の分析が皆様の投資のヒントに少しでもなれば幸いです。
 
Keep your finger's crossed!
 
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