現状米国株投資家、そしてマーケットが待ちわびてるのはトランプ政権からの追加経済対策パッケージのリリースじゃないでしょうか?1兆ドルと言われる法案は一体どうなってるのか心配になりませんか?
トランプ大統領は6月22日にSCRIPPSインタビューに対して「数週間後までには米国人への追加の現金支給を検討すると答えています。」
今回は下記記事で大統領選挙におけるトランプ大統領の支持率に関して記載したのと関係して、なぜ追加救済パッケージがいつまでたってもリリースされないか、その理由を分析してみたいと思います。
そのカギはコロナと失業率などが州によって異なるからです。大統領選挙に深くかかわってると想定してます。
では米国株投資家もみあげの「米国待望の1兆ドルはいつ?ヒントはコロナと大統領選挙」をお楽しみください!
*投資判断はあくまで自己責任で
追加経済刺激策案
経済刺激策の実施が現在待たれてる状況だと思います。これは米国株にも非常に大きな影響を与える可能性があります。現在のマーケットはこの追加経済刺激策を待ち望んでる「くれくれ相場」といっていいかもしれません。
但しこの追加経済刺激策に関してですが、そうは簡単に実施することができない事情があると考えています。
現在候補として考えられてるのが4つあります。
・経済対策アドバイザーのクドローさんは否定してる失業保険の追加
・1200億ドル追加支援策→外食産業に特化
・共和党ムニューチンさんの検討している1兆ドルの支援策
・民主党ペロシ議長が下院を通過済みの3兆ドルの支援策
この4つが今後どのようになるか、内容を確認しながら想定していきます。
追加失業保険
CAREs法の中に含まれる追加失業保険を経済対策アドバイザークドローさんが延長する事を否定し続けるのは理由があります。おそらくそれは手厚すぎて、復職するより失業であり続ける方が家計が豊かになるからです。
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/us200327.pdf
・失業保険(Unemployment Insurance Benefits)
支給金額は申請者の収入に基づき、州によって違うが500ドル/週。支給期間は、失業した最初の週から最大39週間。
・失業保険上乗せ金(Pandemic Unemployment Assistance)
州の失業保険とは別に連邦政府が支給する。毎週600ドルで最高4か月まで。フリーランスや個人請負業者なども対象となる。申請手続きは不要で、失業保険給付に自動的に加算される。
いってみればこの失業保険をもらってる期間は1100ドル/週給付されることになります。1か月で4000ドル以上も働かないでもらい続けるなら大半の労働者は労働復帰を遅らせたくなりますよね。
これが継続失業者が2000万人を超えてる原因の一つともいえます。
1200億ドル追加支援
議員の超党派グループは、コロナウイルスの流行に起因する更なる閉鎖や雇用の損失を防ぐことを目的としたレストランのための援助で1200億ドルのためにプッシュしています。
Lawmakers Push for $120 Billion in Aid for Restaurants Hit by Coronavirus - WSJ
上記に関しては特にラッセル指数に大きなプラス要素になっています。外食産業は雇用の回復にも非常に重要な部門である為に今後注視したい部分です。
これ以外にも次回のパッケージには病気の労働者や顧客からの訴訟に対して企業を守る制度を織り込むべきだという議論もされているみたいです。
Coronavirus lawsuits: businesses and labor groups clash over liability
ナンシー・ペロシ下院議長を含む民主党議員は、このような提案は労働者の訴訟権を制限する可能性があると主張し、訴訟の制限に反対しているそうです。
雇用悪化
こちらの日経新聞に雇用の悪化と支持率に関して掲載されていました。支持率のデータも米国の信頼できるデータだったので、間違いないと思います。
激戦州の失業率のデータは下記になります。確かに失業率は高いままです。特に製造業関連の工場が集中してるミシガンとオハイオが高止まりしてるのは、製造業が未だに立ち直れていないことを顕著に示してると思います。
下記は激戦州のトランプ大統領の支持率です。この支持率も次の救済パッケージによって変動するとは思いますが、現状追加の手段が打ててないので、トランプ政権としてはいち早く本来なら救済案を可決したいはずです。
記事の中でコロナ感染拡大での医療崩壊の可能性に関して記載されていました。ただそれは少し早計かと思います。下記はCDCの病床データになります。実際にほとんどの州で病床はまだまだ余裕がある状況です。
ここから爆発的に増加すればどうなるかはわかりませんが、早めに手を打てば医療崩壊などは起こらない可能性が高いですね。下記は一般病床のキャパシティーです。
https://www.cdc.gov/nhsn/covid19/report-patient-impact.html#anchor_1587406850
ただしヒューストンエリアのICU病床は満床になってしまいました。重篤患者への病床は足りなくなる可能性があります。下記はICUのキャパシティです。
コロナ新規感染州が理由
何故次の追加支援策が実施されないのか?それはコロナ新規感染が過去最大に拡大してる地域を確認してみるのがヒントになるかもしれません。コロナ新規感染数・支持基盤・選挙人票を確認していくとそのヒントが見えてきます。
コロナ新規感染数
CNBCではアリゾナ、フロリダ、カリフォルニア、サウスカロライナ、テキサスが1日の感染者数最高記録を6月19日に確認されているとの事です。
Arizona, Florida, California, South Carolina and Texas all reported record-high single-day increases in coronavirus cases on Thursday as the states continue to ramp up testing and the virus reaches new communities. https://t.co/Xj78dud3e3 pic.twitter.com/SDSj97ts6z
— CNBC (@CNBC) 2020年6月19日
ではこの5州の支持基盤を確認していきますね。
支持基盤
50州における政党基盤を見ていきたいと思います。共和党は赤・民主党は青です。
フロリダは民主党になっていますが、2016年の選挙でトランプ氏が逆転勝利した州。
テキサス・アリゾナ・サウスカロライナは共和党、カリフォルニアは民主党になっています。
フロリダを含めると新規感染数が増大してる5州の内、4州が共和党支持基盤という事になるんです。トランプ大統領がロックダウンや対応に迷いがあるのはこれが原因だと言えます。いってみれば共和党の失敗なんですから。
選挙人票
下記が2016年の選挙人票のマップになります。各州で選挙人票は異なっているんです。
・選挙人票は、1 0年ごとに実施される国勢調査に基づく各州の人口に従って配分
・選挙人の総数は538人であり、大統領に選ばれるためには270の選挙人票を得る必要がある。 ほとんどの州が、勝者総取り方式で選挙人票を割り当てる
→2016年はこの選挙人票がトランプ大統領がヒラリークリントンから大逆転勝利を生み出したのは記憶に新しいです。
結論
では先ほどの5州の選挙人票を集計してみますね。
・カリフォルニア(民主党)55人
・テキサス(共和党)38人
・アリゾナ(共和党)11人
・サウスカロライナ(共和党)9人
・フロリダ(ニュートラル)29人
*ちなみにフロリダ州は2000年以降で最も正確に大統領を選出した州はオハイオとフロリダで勝率は100%というアノマリーがあるので超重要。
フロリダを抜くと、民主党55人、共和党58人となっています。元々カリフォルニアは絶対に共和党は勝てません。完全なリベラルな地域だからです。
ただそれ以外の地域が特に恩恵を受ける経済対策を共和党が画策するとしたら、民主党が賛成するはずないんです。上院は共和党が過半数、下院は民主党が過半数、両院を通過しないと追加法案は通りません。これが現在追加法案が遅れてる理由の一つと考える理由です。
まとめ
では「米国待望の1兆ドルはいつ?ヒントはコロナと大統領選挙」をまとめていきますね!
今回は米国株投資家が待ち望んでる追加の経済対策パッケージがどうなったのかを、様々な観点から分析してみました。
結論としては大統領選挙が絡んで、州毎に支持層が違う、そして民主党は3兆ドル・共和党は1兆ドル、雇用問題も複雑で法案成立に時間がかかりそうだという事です。但しこのままだと7月末に失業中の2000万人が路頭にまよってしまいます。
よってFRB議長のパウエルさんが何度も強調してるように追加の救済策は必須だと思います。でないと経済回復自体が困難になり崩壊します。この状況だと7月中旬あたりまで時間がかかるかもしれないです。
という事はそこまで株価を上昇させる材料が非常に少なくなるという事です。ここからは横横、もしくは下落が継続するマーケットになる可能性も考慮していきたいです。
今回の事を含めて投資家は慎重に状況を見守っていく必要がありそうですね。では皆さんの米国株投資による長期的な素晴らしい資産形成を祈って!
*投資判断はあくまで自己責任で
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記事内でご紹介したトランプ大統領の支持率低下に関してです。米国株投資家が今後何を考えるべきかのヒントになると思います。
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