米国株高配当ETFとして日本人米国株投資家には最も人気があるSPYDですが、今回の暴落によって弱点がさらけ出されてしまいました。SPYDは他の代表的な高配当ETFであるVYMが-7.7%, HDVが-7.8%に対してSPYDは-10.8%と他よりも3%も大きく下落しました。
S&P500はちなみに-7.6%だったのでS&P500よりももちろん弱いです。
これは何故なんでしょう?セクター比率がという人もいるかもしれませんが、そんな簡単な理由ではないです。今回の暴落で特にダメージが酷いのがエネルギーと金融です。その組入れ比率をSPYDとVYMとHDVで比較するとわかります。
この記事の目的はSPYDは駄目というわけではなく、SPYDの弱点も分かっていながら投資判断をした方がいいよという目的なので、その点はご理解お願いします。SPYDホルダーもこれから投資を検討してる人も必ず読んだ方がいいです。
SPYDが他の高配当ETFと比較しての弱点は3つあります。
1.設定年が若い
2.社債・特にジャンク債と配当率の関係
3.80銘柄均等分散
この気づきは@apapoyo1みのたけさんと話してる中でのSPYDの問題点から発見しています。
SPYD下落率おかしい
— みのたけ™ (@apapoyo1) 2020年3月9日
他の高配当指数ETF「6%強」下落
今日だけでSPYD「10%」下落
下落中の石油系多いHDV「7%」より酷い
均等投資で特定企業の影響は少ないハズ…
エネルギーセクターは12%程度の組入?
でもHDVは20%程エネだ
不動産セク20%は大幅下落してない
SPYDなぜ?未所有だけど
これら3点がどうして弱点になってしまったかを今回は簡単に説明したいと思います。SPYDホルダーもこれから投資を検討してる人も必ず読んだ方がいいです。
では米国株投資家もみあげの「【米国株】SPYDは高配当ETFの中で暴落時に最弱!3つの理由とは?」をお楽しみください!
*投資判断はあくまで自己責任で
SPYDの特徴
SPYDの特徴をしるには他の代表的な高配当ETFと比較してみるのが、一番早いのでVYMとHDVを対象にしてリストを作っています。
この中で目立つのがSPYDは他と比較して下記4点が挙げられると思います。
・不動産が多い事。
・設定年が若い事。
・配当率が高い事。
・80銘柄均等分散であること。
上記4点は積極的な取組として非常に興味深いと思っていたのですが、上記4つのうちの3点が今回の暴落において大きなデメリットを生むことになっています。
それが設定年が若い事、配当率が高い事です。なぜそうなるのかを次から説明します。
ちなみにセクター比率という点のツッコミに関しては、下記リストがわかりやすいので確認ください。
SPYD:エネルギー13% 金融13% =26%
VYM:エネルギー7.5% 金融18.5% =26%
HDV:エネルギー20.5% 金融10.2% =30.7%
セクター比率的にいえばHDVがダントツに暴落に弱いはずなんです。
設定年が若い事
他の高配当ETFと比較して、設定年が若い事はパフォーマンスに不安を抱かせます。実際今回の暴落局面においてはSPYDの弱点がデメリットになってしまっています。今までSPYDが暴落でどういったパフォーマンスを生むかは実際に検証されてないからです。
ではHDVだって暴落経験してないよね?っていうつっこみがあるかもしれないですが。HDVの強みは上位10銘柄で全体の60%を占めていて、更にそのうちの7銘柄は連続増配25年以上の銘柄なんです。
設定年は若いですが、実は組み込まれてる銘柄は歴戦の強者たちというのがわかります。下記が上位10銘柄です。エネルギーもメジャーが組み込まれているので、下落が抑えられてるといえますね。
配当率が高い事
配当率が高い事が何故デメリットになるかというと、そもそも配当率が高い銘柄は財務が安定してない銘柄が多い。すなわち株価成長力が弱い、またキャッシュを稼ぐ力を弱い場合が多く、そのキャッシュを稼ぐ力が弱い為に社債を発行しています。
さらに社債に関しては格付けがあり、BB以下であるとジャンク債に分類されます。そのジャンク債の比率が高い事が高配当にするともいえます。
一番わかりやすいのが、下記債券ETFにおいての社債メインの債券ETFの配当率です。社債とジャンク債が増えることによって配当率があがります。代表的な債券ETFの【BND】と比較するとよくわかります。
そして今回その高配当でジャンク債に不安がある銘柄がとんでもない下落をしてる事がわかっています。特にエネルギーと金融関係がボロボロです。
ジャンク債から資金が抜けていってるとは聞いてましたが、原油安不安・利下げによる金融不安・更にジャンク債不安とトリプルパンチを喰らってる事になります。
80銘柄均等分散
もしSPYDが80銘柄均等分散ではなく、VYMの様に400銘柄で分散してるとしたら、1銘柄の大きな下落は分散できるのですが、80銘柄だと分散力が弱い事もわかってしまいました。
下記表は銘柄毎の下落率とそれに伴うETF全体に対するインパクトです。@AmeliStock Ameliさんからデータ提供いただきました。ありがとうございます。
下落率トップ10はエネルギーと金融です。原油・金融・ジャンク債の不安感から凄まじい下落をしてしまっています。そして80銘柄だから分散が効かないんです。
まとめ
では「【米国株】SPYDは高配当ETFの中で暴落時に最弱!3つの理由とは?」をまとめていきますね。
SPYDの弱点が今回あぶりだされる形になってしまいました。原油安や金融不安にならなければこんな事ないんじゃないの?という質問に対しては基本ノーです。景気後退や暴落が来るときは、景気循環セクターである原油や金融は一番やられる確率が高いです。
但し不動産が入っるために、長期的に堅調になる可能性も高いですし、ある意味他の高配当ETFより暴落時には安値で拾えるということになるかもしれません。弱点も使いようです。
ただしブログ内でもふれましたが、ジャンク債に対しては資金が逃げやすくなってる。社債発行枚数が多い企業はリスクが大きくなってるのでその点も理解して投資した方がいいです。
では皆さんの米国株投資による長期的な資産運用の成功を祈って!
*投資判断はあくまで自己責任で
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配当金戦略を用いたいなら是非とも高配当ETFで投資してみてください。高配当銘柄よりは遥かにリスクが低く誰でも配当金戦略を実現できます。VYMがやはりイチ押しです。