毎月米国の第1週金曜日に発表される雇用統計。マーケットはこの日を焦点にしてる場合も多く、非常に注目を集める指標です。
でもこの指標って実際にどのような統計でどんな意味を持つのかって考えた事ありますか?僕も昔は雇用統計で大騒ぎしてる時期があったのですが、意味や統計の仕組みを知ってくるとちょっと視点が変わってきます。
今回は投資初心者向けに雇用統計をできるだけ簡単に説明していきたいと思います。
米国株投資家もみあげの「バフェットが石油会社株を爆買い!急騰したOXYとは?」をお楽しみください!
*投資判断はあくまで自己責任で
3月雇用統計
簡易版
結果 43.1万人
予想 49.0万人 前回 75.0万人(67.8万人から修正)(非農業部門雇用者数)
結果 3.6%
予想 3.7% 前回 3.8%(失業率)
結果 0.4%
予想 0.4% 前回 0.1%(0.0%から修正)(平均時給(前月比))
結果 5.6%
予想 5.5% 前回 5.2%(5.1%から修正)(平均時給(前年比))
公式詳細
3月の雇用統計の1か月の変化です。さてここで注目したいのが、輸送部門において減少傾向になっているという事です。また本日ダウ輸送株指数が▲4.7%下落し2020年6月以来の下落幅を記録しました。これによって物流セクターだけが急落しています。
全体の大勢としては金利が上昇(利上げ織り込みですね。短期金利の上昇幅が大きいのがそれを表しています)ですが、株価は崩れない。よって一部のセクターだけの影響でトリガーにはなってないんです。
https://www.bls.gov/charts/employment-situation/employment-by-industry-monthly-changes.htm
2月雇用統計
簡易版
結果 67.8万人
予想 42.3万人 前回 48.1万人(46.7万人から修正)(非農業部門雇用者数)
結果 3.8%
予想 3.9% 前回 4.0%(失業率)
結果 0.0%
予想 0.5% 前回 0.6%(0.7%から修正)(平均時給(前月比))
結果 5.1%
予想 5.8% 前回 5.5%(5.7%から修正)(平均時給(前年比))
公式詳細
2月の失業率は3.8%に低下し、失業者数も3.8%に減少しました。失業者数は630万人に減少した。2020年2月、コロナウイルスに先立ち(COVID-19)のパンデミックでは、失業率は3.5%、失業者数570万人であった。とあるように既にコロナ前の水準にほぼ到達してしまってる事を表しています。
全ての雇用がプラスに進んでいる。そして特にサービス業が雇用が相変わらず多いですね。ただ逆に考えるとまだ雇用が必要な状況なのに、人件費高騰、更に他の職種に流れる可能性を考えると今後サービス業関係はこのコスト増の想定をきちんとこなしていけるかで収益が大きく変わる可能性があると考えたりするんです。(MCD・NIKE・COST・WMTなどですね。)
雇用統計の仕組み
雇用統計
・家計調査と事業所調査からなる包括的な労働統計
家計調査は、毎月 12日を含む週を調査期間として、約 6万世帯の生産年齢人口(16歳以上)→失業率・労働参加率等のデータを提供
事業所調査は、農業を除く約 65万 1000の事業所を対象に、毎月 12日を含む給与支払い期間(週とは限らない)を調査期間→非農業部門雇用者の増減数・賃金等のデータを提供
https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/201809/201809q.pdf
よって前月の12日週以降のデータは含まない。更に詳細のページには様々な情報があります。雇用統計の失業率と雇用数で大まかな数字を把握して株価の上下などを想像できますが、それ以外にも
ADP雇用統計
ADP雇用統計とは、アメリカの給与計算代行サービス大手のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)社のデータを利用して、全米の非農業部門雇用者数の予測をするために開発された統計。ただADPは後ほど訂正も多く、参考程度に留めれるケースが多いのも覚えておいた方がいいとは思います。雇用統計の2日前に発表されます。
ADP雇用統計│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券
ちなみにADPには投資することもできますよ。米国の大手人材系の会社です。
今年に入ってからは不調ですが、基本的に米国経済の発展と共に堅調に株価が上昇してきた企業です。中小企業対象企業としてはPAYX(ペイチェック)もあります。こちらも同じようなチャートですね。
雇用統計と政策金利の関係
米雇用統計と政策金利の推移チャート | 金プラチナ相場情報 Let's GOLD
上記の資料を参考にしますが、失業率の水準が今どれほど低いのかわかると思います。そして雇用もMAX状態です。更に雇用統計は前月の12日を含む週の統計をとっている。想像してみてください。2月中旬までに何か雇用が悪化するようなイベントはあったでしょうか?何もなかったはずです。3月中旬までもですね。
更に雇用統計の発表前にパウエル議長の議会証言やFOMC関係者が散々「雇用はマックス。タイト状況にある」と何度も何度もヘッドラインを飛ばしてるんです。となると雇用統計は既に織り込まれていて、よっぽどのサプライズがないとマーケットは何も反応しないんです。そんな状況ですから政策金利の利上げを25bps変更は難しい状況と判断はするんです。
ちなみに2020年はこの雇用統計の数字でマーケットは動きまくっていました。それはコロナ禍からの回復状態でどれほどの景気上向きが見えるか重要だったからです。2021年も利上げが予想されてる段階で雇用統計の影響は大きかったです。雇用状況によってFRBがテーパリングを検討することをほのめかしてたからです。政策金利ももちろんこの数字によって左右されてきています。
まとめ
では「雇用統計って何?米国株最重要指標を簡単解説!」をまとめていきますね!
ちなみに2020年はこの雇用統計の数字でマーケットは動きまくっていました。それはコロナ禍からの回復状態でどれほどの景気上向きが見えるか重要だったからです。2021年も利上げが予想されてる段階で雇用統計の影響は大きかったです。雇用状況によってFRBがテーパリングを検討することをほのめかしてたからです。
これはどんな指標でもいえる事なんですが、今マーケットが何を見ているか何を重要視しているか。そして米国の中央銀行(FRB)がどんなコメントを出しているか、そういった部分とつなげてデータを見ていくともっと理解が深まると思います。
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