株式市場のリスクヘッジでオススメされる債券ですが、債券がバブル状態にあるといわれることをご存じでしょうか?
日本国債は低金利において利率が0.05%程度なので、それほど大きなリスクはないのですが、世界の国債状況を考えるとリスクもあるんです。
更に米国においての債券はバブル状態といわれるほど高値を付けている状況でもあり、債券がかならずしもリスクヘッジとして役立つとは言えない状況にあることも理解しておいたほうがいいかもしれません。
ということで今回は債券バブルの崩壊を引き起こしかねないリスク4要素を徹底分析し、債券のバブルへの対応方法も簡単にご説明します。
ではもみあげ米国株投資家の「【リスクヘッジ】債券がバブル!バブル崩壊リスクと対策とは?」をお楽しみください!
*投資判断はあくまで自己責任で
債券とは
債券と株式の違い
もみあげのイメージだと下記になります。
債券を購入するのは国や企業にお金を貸してあげる。
そして債券はその借用書であって、借用書内容によって、利息や借用書の価値が変わってくる。
株式を購入するのは企業にお金を信じて預ける。
信じて預けた分、その企業から預けた分だけ見返りとして配当金や、株価上昇による恩恵をもらえる。
また金利・債券・株式の基本的な相関関係は以下になります。
債券バブルとは
債券をもっておけば絶対に安心だといえない状況が今の状況だと思います。なぜならば債券バブルが発生しているといわれる状況だからです。
債券バブルといわれる理由にはいくつかあると思いますが、もみあげは下記4点が特にその象徴といえると思います。
・米国長期債はパフォーマンスが異常
→S&P500をアウトパフォームの債券ETFあり
・債券への大量資金流入
→米企業の債務は約1000兆円(日本のGDPの約2倍)
・ジャンク債増加
→2010年から発行枚数が倍増
・「いかれた」世界の債券市場
→低金利の日本債券ですら高利回り
今回はこの4点に関して詳細に説明していきたいと思います。
米国長期債のハイパフォーマンス
超長期のパフォーマンス
これは極端ですが、1800年からのデータですが、株式と債券を比べるとリターンは比べ物になりません。株式リターンが600倍というデータがあります。
超長期的に考えるとインデックス(S&P500)にリターンは大きく劣後するという統計がシーゲル教授からもたらされています。
Prof. Jeremy J. Siegel ~ The Wharton School/Wisdom TreeFebruary 2016
長期のパフォーマンス
長期のパフォーマンスにおいては、【VWESX】というバンガードの長期債の国債と社債ミックスのETFではS&P500をアウトパフォームしてしまっています。
【EDV】というバンガードの米国長期債メインのETFもアウトパフォームとまではいかないまでもS&P500と大差ないリターンが発生しています。
*青字がVWESX
上記パフォーマンスは金利が下がったからじゃないのか?と言われそうですが、
2008年から続いたゼロ金利を2015年に解消して、そこから利上げを行って2019年から利下げという状況を考えると、単純に金利だけの問題でもない気がします。
債券への資金流入が加速
債券への資金流入が加速
債券への資金流入が加速してるリスクに関して下記記事が注目しています。
内容としては
・企業は9兆ドル(日本円で1000兆円)の負債を抱えており、金利が上昇し続け、経済が弱体化した場合、潜在的な脅威あり。
・ウォール街の債券専門家のほとんどは、この問題は今後12か月から18か月に収まると考えていますが、市場の「不安」は「見当違いではない」可能性あり。
・主要な懸念は、投資適格とジャンクの間でぐらついている企業が、地位が悪化した場合に市場のトラブルを引き起こす可能性がある。
その他報道
債券ファンドに対して、資金流入が加速してる。7-9月期に10兆円が流入したこと。中期償還で、投資適格債に特化したファンド(最も一般的な債券ファンドの種類)は7-9月期、平均2.1%のトータルリターンを計上した。年初来では8.5%に押し上げている。
また2019年10月の記事によると米国株から現金・債券へのシフトが2008年以来だという事です。これはリーマンショック並みの状況だといえると思います。
米国株ファンドからは今年これまでに1000億ドル(約10兆9000億円)が流出し、過去15年で2番目のペース。一方、債券ファンドには3530億ドルが流入し、現金は4360億ドル増えているという。
ジャンク債
ジャンク債とは?
ジャンク債=ハイイールド債=低格付け債といいます。格付けにおいてBB以下の債券を総称しています。
ジャンク債は国債など一般的な債券とは逆に、景気拡大局面で価格が上昇(金利は低下)し、景気後退局面で値下がり(金利は上昇)する傾向がある。また、基準金利に対する上乗せ幅(スプレッド)の変化は格付けの低い社債ほど大きくなりやすい。
米国ジャンク債の発行増加
下記グラフが非常にわかりやすいのですが、ジャンク債の発行が増加してることが非常によくわかります。特に2010年位からのジャンク債の発行が以前の倍になっているのがわかりますよね。
そしてジャンク債、いわゆる格付けが低い債券は焦げ付く、価値がなくなる、デフォルトする可能性が非常に高くなります。社債などの債券に投資する時はこのジャンク債は必ずチェックしておかなくてはいけない要素ですね。
日本のジャンク債は?
日本においても年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が低格付け債にも投資できるよう投資基準を緩和したことを受けて、アイフルが初めて社債を発行している状況にあるとの事です。
GRIFの運用方針は年金原資を増加させる非常に手堅く優秀な投資リターンをもたらす方針ですので、一度目を通してみると面白いと思います。
「GPIF」は年金資産をどのように運用しているのか? | ZUU online
これを鑑みるに、米国社債のジャンク債だけが危険なだけではなく、日本社債も危険な状況に陥ってると考えた方がいいです。
またGRIFが外国債・外国株式の比重を増やしてきてるのも、注目点だと思います。債券バブル崩壊は決して対岸の火事ではなく日本国民の年金自体が危険な状況になる可能性があることも理解しておいた方がいいです。
世界の債券状況
世界の債券市場はおかしくなっているといわれています。それは日本国債は低金利で悪名高い債券だったみたいですが、その日本国債ですら高利回り債になっているからです。
ドイツやオランダ、オーストリア、フランス、ベルギーなどの国債利回りは既にマイナス圏。ドイツ5年債の利回りは現在、マイナス0.87%。同年限の日本国債はマイナス0.31%。
ドルのヘッジ付きでは40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い利回りが得られるということです。
「完全にイカれた」債券市場、日本国債ですら「高利回り債」に - Bloomberg
日本国債を調べると下記のように利回りが15年満期の債券じゃないとプラスにならない日本国債ですら、高利回り債として外国投資家から買われる状況です。
外国投資家は特に投機として為替を利用してこの日本国債で利ザヤを抜くことを行っているそうです。
どこか安定するのは債券というイメージからはかけ離れているような状況に感じてしまいますね。
バブル崩壊した場合
債券のバブルが崩壊した場合は、今回お伝えした事実を鑑みると1000兆円近くまで膨れ上がった社債の価値が一気にはじけ飛ぶ可能性があります。
www.newsweekjapan.jp
そしてジャンク債から順番に価値がなくなっていき、ジャンク債発行企業が資金繰りができなくなる。更に社債関係で格付けが低い社債の価値が下落、こちらも資金繰りができなくなる。
となると米国企業の社債発行理由が自社株買いという事を考えると、株価を支える資金がなくなるので株式市場が大暴落という事になると思います。国債の価値も当然下がるでしょう。
実態経済からの影響ではなく金融商品の破綻からの実態経済の破綻につながる大きなリスクがあると考えればいいと思います。
まとめ
では「【リスクヘッジ】債券がバブル!バブル崩壊リスクと対策とは?」をまとめていきますね!
バブルという状況はどのような金融商品にとっても恐ろしいのですが、債券のバブルは債券が崩壊するだけでなく、米国企業が1000兆円も社債を発行してる状況だと、株価も暴落して、更に実態経済まで大きく影響を受ける可能性があることが伝わったかと思います。
また米国企業だけでなく、世界の社債発行が268兆円相当で年間記録更新、アジアと欧州も記録的な社債発行になってることも忘れない方がいいです。
世界の社債発行268兆円相当、年間記録更新-来年さえないリターンか - Bloomberg
債券のバブルを見越すなら、できるだけ社債においてもジャンク債には手を出さないこと。できる限り国債メインの債券へ投資していくことなどが、リスクヘッジになるのではないでしょうか?
日本の国債への投資をしてもいいですが、それほど定期預金とは変わらないし、投機的な使われ方もしてるので、リスクは低いですが投資的な魅力は低いかもしれません。
では皆さんのリスクヘッジの投資による明るい資産運用を願って!
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