アメリカで広がる「無制限休暇制度」に関して今回はお話しようと思います。単純にアメリカの現状をお話するのではなく、アメリカと日本での労働環境の違いも説明した方が更に理解が深まると思ったのでアメリカと日本の労働環境の比較もしています。
アメリカと日本の労働環境って一体どんな部分が違うんでしょうか?アメリカ人と日本人の働き方への考え方はどんな部分が違うのか。
こんにちわ!アメリカ駐在員であり米国株投資家であるもみあげのブログにご訪問頂きまして誠にありがとうございます!
現在もみあげはアメリカ駐在員として5年以上滞在しています。その中で感じたアメリカと日本の労働環境の違いから「無制限休暇制度」の現状を現地の生情報としてお伝えしたいと思います。
- 無制限休暇制度
- マイクロソフトジャパンの週給3日制
- アメリカと日本の雇用条約の違い
- アメリカと日本の有給の違い
- アメリカと日本の労働者の評価基準の違い
- アメリカと日本の転職事情の違い
- アメリカの労働環境に適した無制限休暇制度
- 無制限休暇制度のまとめ
- まとめ
無制限休暇制度
無制限休暇制度の普及状況
特に広がってきているのが、システムエンジニアやシリコンバレーの企業に対してですね。とはいえ人材派遣会社がもみあげの会社にも福利厚生としてお薦めしてきたので、その制度の広がりを感じます。
有給で無制限で休暇を使えるなんて、働き方や労働環境次第では素晴らしい福利厚生になりえそうですよね。
実際にグーグルの社員が無制限休暇制度を使って猫カフェを創業したりして、無制限休暇制度を有効活用した事例の記事とかもあったりします。
無制限休暇制度の日本人の反応
ではこの無制限休暇制度は日本人からしたらどのような反応になるのでしょうか?このことに関して、ツイッター上で約600名の皆様にアンケートを取ってみました。ご協力してくださった皆さん本当にありがとうございました!
米国事情のアンケートお願い。😊😊
— もみあげ🇺🇸 米国株投資 (@momiage0088) July 22, 2019
アメリカ企業で今どんどん導入されてる#働き方改革
それが✅”有給無制限制”✅です。
驚異の有休取り放題!!
これ日本の会社でも導入されたら嬉しいですか?
結果としては600名の投票中、63%が最高に嬉しい・19%がどちらでもない・14%が嬉しくない・4%がその他でした。
やはり日本人にとっても無制限休暇制度は素晴らしい仕組みだという認識になりそうですね。
無制限休暇制度の評判
ではアメリカではこの仕組みが本当に機能してるんでしょうか?そして素晴らしい福利厚生の仕組みとして、歓迎されているんでしょうか?
答えとしては半々になります。え?なんで?アメリカってそういう国じゃないの?って疑問が出そうですよね。
ということで、今回はアメリカと日本の労働環境を比較しながら、この理由を探っていきたいと思います!
マイクロソフトジャパンの週給3日制
と、アメリカと日本の労働環境の違いをお話する前に、丁度タイムリーにマイクロソフトジャパンの「週勤4日&週給3日」制度実施のニュースが入ってきましたね。これはオリンピックシーズンも考慮しての取り組みだという事です。
ただこういった取組によって、日本の労働環境を考えるきっかけや、日本人が時間の使い方の有効性や柔軟性を検討しなおすきっかけにもなりそうですよね。
どういった結果になるか凄く注目したいです。
アメリカと日本の雇用条約の違い
日本の採用方法は一般的に採用後にその人に見合った職務や役職、それにサラリーを与えるというのが基本的な考え方だと思います。もちろんエンジニアとか例外もあります。
それに対してアメリカは職務・役職・サラリーに即した人を採用します。よって雇用契約を結んだ時に職務内容に関してもしっかり採用される側は確認をとります。
もしその雇用契約に反した内容を会社側が強要した場合は、労働者側は給与の上乗せ、最悪訴えることが簡単にできます。
アメリカの方が労働者の権利が強いですね。また完全な契約社会なので、契約に反することをさせる自体があり得ないです。
サービス残業なんてありえないですし、またパワハラもあり得ないです。そんなことをさせようものなら、企業としての存在価値自体が危ぶまれます。
例えば物を売る作業で鉛筆とハサミの違いであったとしても、契約書に鉛筆と書いてあったらアウトです。契約外なので断られます。
パワハラって何?って本気で米人は理解できません。
アメリカと日本の有給の違い
日本は年間で15日位の年次有給休暇が一般的だと思います。
それに対してアメリカも年次有給休暇の日数は同じなんですが、アメリカでは更にSick leaveという有給病欠も与えられる会社があります。これは医療費が全世界1位のアメリカらしい仕組みですよね。
更にアメリカでは年次有給休暇を消化しきれずに残った場合は、その休暇分を企業が買取するところが多いです。これは企業にとって非常に大きな負担になりますね。
さらに年次有給休暇は企業によっては、なんと時間単位でとれる企業もあります!この辺りの柔軟性はアメリカの企業らしいですよね。
アメリカと日本の労働者の評価基準の違い
日本は基本的には相対評価でその同じくらいのレベルや年齢層の評価も全て照らし合わせて最終的な評価を決めることが多いと思います。
アメリカは基本的に絶対評価で契約書に書いてある基準を満たしているか、数値を満たしているかで評価されます。その労働者本人の契約に対しての達成度だけを見られます。契約書といっても、もちろん360度評価などによって、周りからの評価を参考にもしたりしますね。これは日本でも導入されてる会社もあります。
またアメリカは基本的に年功によって給料が上がる事はないです。インフレ率分の給与は毎年上がります。(3%-5%とかインフレ率によって変動)
よって給料が大きく上がったり役職が上がるとしたら、上司からのプロモーションや他の会社への転職が無ければできないと考えていいと思います。
ちょっと皆さん意外かもしれないですけど、上司というか自分をプロモーションしてくれる人にはアメリカ人もしっかりゴマすりしますよ。笑
あからさまに態度変わるんだもん。
アメリカと日本の転職事情の違い
雇用条件や評価基準からお気付きかもしれませんが、アメリカ人の労働者は頻繁に転職します。下の情報サイトだと平均約4.6年で転職するみたいですね。日本は11年を超えるみたいです。
アメリカは転職することがステップアップに繋がるという考えなので、基本的に転職は非常にポジティブに捉えられます。
これはメキシコネタなんですけど、メキシコは一時期日本の自動車関係の工場進出が盛んでした。その当時においては、労働者の需要が余りにも多くて、メキシコ人は友達関係から違う工場の方が給料がいいと聞いたら、翌日には違う工場で働きだしてるという嘘みたいな本当の話を聞いたことがあります。
メキシコ人と働くのむっちゃ大変よ?(泣)
アメリカの労働環境に適した無制限休暇制度
ここまで違いをお話してきてお気付きの方もいらっしゃるだろうと思います。またツイッターでのアンケートでもこの考え方をする回答がちらほら見れました。
・雇用条件が契約縛り・契約以外の事は絶対にさせれない
・年次有給休暇に対して柔軟性が高い
・労働者の評価基準が絶対評価
・転職が多いから年次有給休暇の利用価値が高い
少し補足しておくと、年次有給休暇の買取をするくらいなら、企業は福利厚生の面が手厚い会社と評判を上げることができ、さらに買取自体が無くなるために、企業としても労働者としてもWin-Winの仕組みに出来るんです。
そして4つの違いがあるからこそ、無制限休暇制度が有効になってきます。更にこの制度を導入するとしたらマネージメントの管理能力が非常に大切になる為、高いマネージメント能力を持った人材が多い企業じゃないと機能しないですね。
日本は労働環境自体変えないと厳しいね・・・
無制限休暇制度のまとめ
ここまでお話してきましたが、最初の段階で無制限休暇制度がアメリカ人に歓迎されているかというのを半々と答えました。
答えは凄くシンプルなんです。誤解してる人もいるかもしれませんが、
アメリカ人は凄く真面目で働き者です!(下手したら日本人より働きます)
自分の周りの駐在員に聞いても、半数はアメリカ人は真面目だと回答します。日本で同じ質問しても同率位じゃないでしょうか?
そして年次有給消化は日本人よりは多いですが、実はアメリカも年次有給休暇は余らせがちなんですよ。日本人の50%も大問題ですが・・・
https://welove.expedia.co.jp/press/40915/
ウォールストリートジャーナルでもこんな記事がでていますね。
事実友人のシステム関係の会社でも無制限休暇制度を導入しているのですが、インターナショナル(いわゆる海外からアメリカに働きに来てる人)は有給を取りまくるみたいですが、アメリカで生まれ育った社員は全然活用してないみたいですね。
ヨーロッパ系は速攻遊びに行っちゃうらしい。笑
まとめ
いかがだったでしょうか?今回はアメリカで普及が広がりつつある「無制限休暇制度」を紹介しながら、アメリカと日本の労働環境の違いもまとめてみました。
アメリカ人が真面目だというのは、意外な方も多かったんじゃないでしょうか?もみあげも米国で働くまではそんな意識は全くありませんでした。
但し、アメリカ人の方が時間の使い方が上手だなとは常々思いますね。余暇を大切にする・家族との時間を大切にする、仕事は仕事、プライベートは別という感覚は完全に徹底されています。
最後に一つアメリカ人が可愛いなと思うのは、金曜日に天気が晴天になると・・朝から皆帰りたそうにうずうずしだします。(笑)実際いつもの時間の1時間前位から車の渋滞が始まります。金曜日にワクワクするのは日本人もアメリカ人も同じですね。
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