こんにちわ!もみあげ投資家のブログにご来訪頂き誠にありがとうございます!
どうしても書きたくなったので、ZOZOバイト改革、時給1,300円のニュースに対して自分が感じた事を記事にしたいと思います。
*これはあくまでも個人の考察です。色々な意見があると思いますが、そこはご容赦ください。
- 記事を書きたくなった理由
- アルバイト(非正規雇用)時給1,300円の意味
- 派遣法との親和性
- 年収と本当の収益の違い
- キャリアとしての倉庫作業
- 日本の人口動態から考えるアルバイトの意味と重要性
- 感想
- まとめ
記事を書きたくなった理由
皆さんは今回のこのニュースとZOZO前澤さんの宣伝をどう思いますでしょうか?もみあげはポジティブにもネガティブにも捉えられると考えています。
SNSではアルバイトの救世主、ニュースでも好意的な意見が大半を占めています。果たしてそんなに単純にとらえていいんでしょうか?
自分の前提条件としてZOZOの株も持っていませんし、ZOZO否定派でも前澤さんが嫌いとかそんな個人的な感情は全くありません。寧ろ肯定的な方だと思っています。
ただバイト改革・時給1,300円という言葉に踊らされずに働く意味と雇用形態の違いをしっかり理解して、うまく活用できたらいいんじゃないかと思います。
今回のZOZOのニュースは、上記を含めて日本の今後の社会を鑑みた時、大きな意味を含んでいると感じました。その意味を説明していきたいと思います。
アルバイト(非正規雇用)時給1,300円の意味
単純に年収で計算してみましょう。
時給1,300円、1日8時間、月間20日、1年間働いた場合
1,300円x8時間x20日x12か月=249万6千円の年収になります。
(総労働時間1,920時間)
これって多いでしょうか?日本人の平均年収は現在440万円です。
正規雇用平均年収が約480万円、アルバイト(非正規雇用)平均年収が175万円です。
確かに非正規雇用の平均年収よりは大分多くなりますね。
では正規と非正規で単価を比較した場合はどうでしょうか。
③正規と④非正規で年収を揃えて比較した場合を確認ください。
正規雇用は労働時間をあえて週40時間、52週計算。更に年収も249万円に揃えました。(おそらくそれ以上が一般的です)かなり正規に不利な数字を並べています。
それでも正規と非正規で単価で最終単価が100円ほど違うことがわかると思います。これに手当などを加味してくると更に差が広がってくる状態です。
非正規雇用は国民保険料・厚生年金を自己負担しなければならず、会社負担がないためにこのような結果になるのです。会社の負担が単価を100円ほど差をつけ、手取りの年収でも30万程多くする効果があることが良くわかると思います。
下記は正規と非正規の年収・生涯賃金格差のデータです。参考までに
派遣法との親和性
以前の派遣法の流れと今回の非正規雇用の促進は世の中の流れとして非常に似ていると感じています。
日本企業が収益性を確保するには、既に細かい原価削減やアイデアが日本企業のビジネスモデル的に限界に達してきている。経済成長を維持するためにも、労働力という最も単純な原価削減にテコ入れするしかないという流れです。
皆さんは派遣法をご存知でしょうか。小泉元総理大臣が雇用形態の変化を促す為にとっておきの手段として実施したというのが非常に鮮明に記憶に残っています。
労働者派遣法が制定されたのは1986年のことです。それまでは人材派遣そのものが法律で正式に認可されておらず、主に業務請負という形で行われていました。
同年、労働者派遣事業と請負によって行われる事業を区別することを目的として「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」が告示されています。
最初の派遣法において派遣で行える仕事は13業務に限定されていました。しかし、景気の低迷とともに人材派遣業のニーズが高まったことから、1996年には26業務までに拡大されます。
さらに1999年には一部の禁止業務を除き、広い範囲で派遣が認められることになりました。
もみあげとしてはこの派遣法が現在の日本企業の凋落の大きな要因だったと今でも思っています。短期的には派遣法は企業に安価な労働力を提供することに成功しています。
それによって日本企業は短期的には経営が良好な状態になっていました。ただ派遣はあくまで派遣です。
結果として人材育成が進まず、長期的な視点では派遣法の導入によって日本企業の総合力が低下したとはよく言われる話です。
更に派遣法の改正によって、企業は派遣社員に関しても3年経過した後は雇用もしくは、派遣社員変更を行う必要になっています。ということは3年経てば正規雇用を行わないと戦力低下につながるわけです。
年収と本当の収益の違い
ZOZOは週3日以下1,100円にアルバイトの給与をあげる事も提案しています。この時給は実は非常に危険な領域なんです。社会保障制度と税制から考えてみましょう。
もし時給1,100円、1日8時間、週3日、52週で年間働いた場合は年収は
1,100円 x 8時間 x 3日 x 52週 =137万2,800円になります。
130万円以上を扶養でなく稼いでしまうと、なんと180万円以上稼がない場合は日本の社会保障制度と税制からすると損をしてしまうことになります。
何故ならば非正規雇用は会社の社会保障制度を利用できない、扶養でない場合は103万円を超えたら税金の支払いが発生、さらに130万円を超えると社会保障も全て自己負担になってしまうからです。
結果として非正規労働者は社会保険料だけで108万円なら自己負担は18万円で済むのに、130万円だと36万円も負担が発生します。
アルバイト(非正規雇用)は企業にとって非常にメリットが大きいです。なぜならば保険料の会社負担を無くすことができる。そして上手く活用できれば、長期間の労働力を確保できる。
単価に関しても正規雇用よりはるかに安価、手当等も考えなくていい。経営者側としてはこれほど効率的な労働力は無いと思います。
キャリアとしての倉庫作業
倉庫作業はどんなことを行うのかというと、倉庫管理は倉庫のプランニングを行わない限りは単純作業の繰り返しです。
ということは労働者の能力が向上することはあまり考えられません。またそれが採用活動において評価されることもそれほど無いと考えていいと思います。
(*もしかしたらZOZOはあっと驚くような教育プランとか倉庫ロジックを持っていて、非常に大きな経験値になる可能性もあるかもしれません。)
またアマゾンがロボットによる完全自動倉庫化は10年後先でもまだ見えてこないことを明らかにしています。
ロボットは人間の労働力をあくまでサポートするだけ、要するに安価な労働力を確保した会社が長期的にみれば、小売業界では勝ち組となれることを証明しているんです。
自分も倉庫作業のプランニング側で働いたことがあり、全てを自動化したとしても人間の手と自動化を組み合わせた作業には生産性(Productivity) & KPI(Key performance indicator) とも及ばない事は何度も検証したことがあります。
よってアマゾンやファーストリテイリング、今回のZOZOなど効率的に作業を行うことを目指したら、最終的には如何に安価で効率がいい労働力を確保できるかがキーになってくると思います。
日本の人口動態から考えるアルバイトの意味と重要性
日本の人口動態を考えれば今後は非正規雇用の推進は更に加速していくと思います。
高齢者を雇い続けるほどの余力が日本企業には無くなっていく、逆に労働力は必要。
人口は減少し、更に高齢化していくそれは他国と比べても圧倒的に酷い状況です。終身雇用は終わらせたいが、労働力が欲しいのが日本企業の本音です。
下記グラフが将来の日本がどれほど労働力不足に悩まされ、高齢化が末期症状にあることを表していると思います。
*人口問題研究
感想
ZOZOは企業戦略的には非常に効果的な宣伝を行って労働力の確保に成功すると思います。マーケティングを重ねて求心力がある数字を出したと思っています。
SNSを有効に使い、現在のフリーランス・自由に働きたいそういった流れをマーケティングによって情報集約し、あまりにも露骨に戦略に組み込んだと思います。
でも考えてほしいのが、以前の派遣法と同じなんです。派遣法も短期的に安価な労働力の面で非常に大きな効果をあげました。非正規雇用を全面にだして、日本人をアルバイト化させて安い労働力を確保するというのと非常に似通っています。
終身雇用が現在どの企業も継続できないと明言しだしています。TOYOTAですらです。
TOYOTAの上記内容が本日の発表であまりにもタイミングが良すぎて、なにか企業トップ同士で組み合ってよからぬ事を企んでるんじゃないかって勘繰りたくなりますよね・・・
その世論や経済界の後押しを受けてZOZOが大々的に宣伝をして日本人を非正規雇用で当たり前の風潮をもし作ったとしたら、短期的には企業は経営が良くなるかもしれません。
でもこれって本当に日本の将来にとってポジティブなことなんでしょうか?
経営者側にとっては非正規雇用が増えれば、それだけメリットがあります。但し雇用される側、または日本人一人一人にとって幸せな将来が待つことになるんでしょうか。
そうならないためにどうすればいいか。単純に表面だけの情報に流されないで一人一人がその情報の裏にある真実を考えて活用できるようになることだと思うんです。
まとめ
まとめとして、今回のZOZOの宣伝は企業戦略的に素晴らしいと思います。きっとZOZOは上手く活用して業績も回復してくると思います。
ただもし読者の皆さん一人一人が考える時に、安易にアルバイト(非正規雇用)でいいという考えに流されない方がいいと思います。
正規雇用と非正規雇用はどれだけあがいても埋められない年収と福利厚生の差が大きくあります。
正規雇用も将来はどうなるかわからない。だったらアルバイト(非正規雇用)の方が気楽でいいと考えるのは短絡的だと思います。
正規雇用で自分のスキルを磨いて、キャリアアップする方法だって沢山あるんです。
短絡的にメディアに流されないで自分で考えてほしい。税制を考慮して自分の働き方そして稼ぎ方、副業を多数持つなど収入元を多数確保する選択肢に利用していく。
単純に情報を受け入れるのではなく、自らの選択肢としてZOZOの提案プランを活用・検討できれば今回のニュースはポジティブにもなり得ます。
最後に投資家として不労所得である投資収益を上げる事の意味と重要性を再認識できたのは、もみあげにとって非常に大きな意味がありました。
投資家の皆さんは現在下落で動転しているかもしれませんが退場しないように頑張りましょう!
皆さんの未来が明るく幸せになる事を願って!
Keep your finger's crossed!!